Hな占い師
皆さんこんにちは。
まだ赤ちゃんのお世話で明け暮れる毎日で、なかなか外に行くこともできない生活をしていた時のお話し。
友人からの興味深い話しを聞きました。
「パメさん、パメさん。最近できた「占い鑑定M」って知っている?」
「ああ~。国道沿いに一つできたねぇ。あなた、行ったの?当たった?」
「いや、それがね・・・。私の友達のU子が行ったんだけどさぁ~」
と、友達がU子の話しをし始めました。
そのU子という子は、二十代も半分を過ぎているというのに、どこかのほほん世間を知らないというか、お嬢様育ちなんだけど、自分でなんとかしなくっちゃ!
と、焦っている女の子。
U子の趣味は、車のドライブと、占い巡り。
悩みはその時によって色々と変わるみたいなんですけれども、今回は何故か「自分の体質」に悩み、新たに発掘した占い鑑定Mに行ってみたらしい。
U子の話しによると、「占い鑑定M」は、国道沿いに大きく看板が出ていて、非常にわかりやすい立地にあります。
自宅の一部を改装して鑑定所になっていて、初老の男性が一人で鑑定室で座っていたそうです。U子は、まず、その占い師さんの威圧感に心打たれたという。
「さて。何がお悩みなのでしょうか」
「はい。実は・・・しかし、こんなことを言ってもいいんでしょうか!」
「何でも心を開いてください」
そのように言われ、日頃から誰かに相談したかった「自分の体質」について、とくとくと話しをはじめたという
「実は、私。まだ男性とお付き合いしたことがありませんっ」
うんうん、とうなづく占い師。
「私、男の人とお付き合いをしたいのですが、女としての魅力に欠けているからだと思うんです。職場の男性からも相手にされなくって。それに少し恥ずかしい話しなのですが・・・実は、あまり感じない体質だと思うんです。なぜかというと、エッチな週刊誌を見ても何とも思いません。どうしたらいいんでしょうか」
「・・・・・・」
「そういう体質ですから、俗にいう不感症ではないかと気にしているのです。こんなことでは、この先もしも彼氏ができて、そのあとに結婚して、生活がうまくいくのかどうか心配になりまして・・」
「なるほど・・よくわかりました。」
占い師さんはそうに言うと、U子のイスの辺に手を伸ばし
「さあ、心を開いてください。ここですか。感じないのは?どうです?」と、聞いてきたそうです。
「え?はい、全然。感じないのです」
と、言うと、その手はさらに上の方にそろそろと伸び「ここはどうでしょう」と、聞いてくるではありませんか。
「はあ~。別に感じません」と、応対すると、
「それは、重症ですね。さあ、ここからは、自分で足を開いて見てください」
と、言われたというのです。
そこで、普通の人は、この人やばいなと思い帰るかと思うのですが、U子は違いました。
「はい?こうですか」 と、言うことを聞いて、言葉に誘導されるままに、上半身を半裸にされてしまったそうなのです。
すると、その占い師は
「ううーん。残念ですが、イスに座ったままでは、わからないところなのです。それでは、隣の部屋のベットへ・・・」
「はい。わかりました」
と、いそいそと二人でベットルームへ入っていき、すんでのところで占い師の目的に気がつき、ほうほうの体で逃げた、というのです。
U子は、泣きべそを書きながら友人に報告したのでした。
友人は、その話しを聞いて
「バカ!訴えてやれ」
と、烈火のごとく怒っていました。
「しかし、悪い占い師がいるもんだね~~・・他にも被害者が出るだろうから、なんとか訴えてやりたいよ」と、息巻いています。
しかし、そのような誘導尋問に乗る相談者はかなり少数派なのではないか?!と、わたしは思ってしまいました。
こういう場合は、はたして訴えが通るものなんでしょうかね?
法律では、こういう場面はどのように罪になるのかよくわからないのですが、きっと、その占い師はなんとな~く世間知らずの、U子ちゃんが良いカモに思えたんでしょうね・・・!
占い師をやすやすと信用してしまったU子ちゃん。逃げてこられて良かった・・と、思ったのでした。
気をつけるに越したことはないですね。