人相秘伝。画相が見える人はイラストに描いてくれたりします。

中央銀座の占いおじさんの思い出

まだ16歳ぐらいのころ。
友人の家に遊びにいった帰りに、こっそり遠回りして、きらびやかな中央銀座どおりをふらふらと道草して帰るのを楽しみにしていたものです。
そして、うすぐらい路地に入ると、何やらボーっと明りを燈して、お客さんを待っている、中銀占いのおじいさんがいるのです。

俳優の天本英世みたいな容貌で、いかにも占いをして人生の裏街道を見てきました、という感じのどこか貧相な感じのおじさんです。
当時から占いが好きな私は、おじさんを見かけるたびにちゃっかりイスにすわって雑談をします。たびたび顔を出す私に、いろいろな話しをしてくれたのでした。

「おじさんの占いは気学っていうんだけど、四柱推命や天中殺の勉強も習得しているんだよ。有名な◇◇先生って知っている?え、知らないの?ものすご~く、ゆうめいな先生だよ」

「おじさんは、その人に弟子入りしようと思ったんだけどね。おじさんの占いを知ると、あなたに教えることはない、私が教わりたいぐらいです、なんて、頭を下げられてしまってね」

「それでも勉強が足りないと思ったね!今度は○○先生のところに修行に行ったりして、技を習得したのさ。マスコミに出てくる占い師はあれは占いじゃないね。本物というのは、こういう目立たない場所にいるものなんじゃ」

「やっぱり週に1度は滝に打たれて精気を養わなくっちゃ」

と、いうような、占いうんちく話しを良く聞かせてくれたものです。

思えば、このおじさんの占いもとても良く当たった、というか入神の占いをすることもありました。
まあ、その中のエピソードをひとつ



当時仲良しだったM子と二人で占ってもらった時のことです。
ちなみに、M子は、当時25歳になる普通の女の子で、甘えん坊のお父さんっ子。
家族中で仲が良く、なんの不自由もない生活を送っているのですが、その分、父に匹敵する男性を寄り好みして、すごく好みがうるさい。
でも、やはりそろそろ恋人も欲しいし、あらかじめ、いつどんな人が現れるのか知っておきたいという。

「パメラさん、わたしなんとなく将来が心配になってきちゃったわ」

と、いうことで近場の「中銀おじさん」のところに二人で相談に出かけたのです。
神妙な顔をしているM子におじさんはこうに言い放ちました。

「あなたの本質は、なまけものですね。何もしたくないということはありませんか。テレビとか見て。」

「えっ」

M子は口を押さえて考えこんでいる様子。
それは、違うといいたそうであったが、彼女の日常を少し知っている私は内心(当たっている・・・・)とうなずけるものがありました。
生年月日でそういうことも分かるのかな?本人の特徴がわかれば面白いだろうな、まだ命学というものを知らなかった当時の私は素直に感激したものです。

「でもね、あなたは60歳まで働かなくてはいけない運命みたいですよ」
 「はあ~、そんな~~」


と、例のごとく歯に衣を着せぬものいいで、バシバシ運勢を話はじめました。


「あなた、彼が出来ないということだけど。実はあなた彼いるでしょう」 と、言うと手元のライトを"パッ"とM子の顔に当てたのです。
「顔の中央に彼氏の顔が浮いて見えるんじゃ。おじさんは調子の良い時にはこんなこともわかるのだ」

そもそも、M子は彼が出来ないという相談をしに言ったのに、本命の彼がいる、とはいかなるものか。
「あんたの顔の鼻のところに男の人がみえる。中央に見えるってことは、本命の彼ということです。長い付き合いのイイ人がいるんじゃないかい。うん」

М子が誰とも付き合ったことがないのを知っている私は、おじさんそれは違うみたいよ?と心の中で思いました。
しらーとしている二人の気持ちを察してか

「ふんっ。おじさんには本当に見えるんだよ。」
「疑っているならば、絵に書いてあげる。こういう人知らない?」



こんな感じの絵でした顔に映った顔の図その絵をみた途端
「あっっ!!」
と、2人で息を飲みます。

それは、M子とうり二つと言われている、M子のお父さんの顔です!
ほんとそっくりだったのですぐにわかりました。

確かにM子は大変なお父さんっこで、デートよろしく二人で映画を見に行くこともあるという。

じぶんちの、お父さんが本命の恋人だったとは・・・・。
これってM子が父を恋人のように慕っているということなのだろうか。
神妙になって二人で帰路に着いたのだが、M子は大変、不服そうであった。

「結局、わたしいつ恋人が出来るのよ?!」

彼氏がいることになってしまったМ子には申し訳ないけど、私にとってはこの占断は大きな収穫でした。
占いとはつきつめれば「霊感」である、わたしはそんな悟りのようなものを得た気分でした。
その後、なぜかおじさんは、この似顔絵書きを得意としたらしく、よく私にも披露してくれるようになりました。


追伸―
のちに、このおじさんの得意とする顔書き占いは、「画相」というものだということがわかりました。
顔占いを得意とする占い師さんに教えてもらったのです。
「画相」とは、顔をじ~っと見ていると、顔が浮いてでてくるというもの。がんばって見ると本当に見えますよ。
後年、この私にもちょっとだけ・・画相が見えるようになりました。
占いは面白いです。

↑ PAGE TOP