〜10月の庭・2〜
さまざまの秋


空がいっそう高くなった今日この頃。
すっかり秋の色に染まった景色が、
惜しげなくその姿をあらわして。
ここにも、そこにも、
まるで絵画のように…



その朝、窓を開けるとキンモクセイの香りがひときわ強く漂っていました。今日は全市をあげての秋祭り。毎年このお祭りの時期に盛りを迎えるこの花、私の庭だけでなく、ご近所のお宅や、山車とともに練り歩く街中のあちこちでオレンジ色の可愛い花とふくよかな香りを楽しませてくれます。私のイメージの中で、キンモクセイはまさに「お祭りの花」。2日間に渡って街を沸かせた祭りが終わった後も、この香りに鼻先をくすぐられるたび、賑やかなお囃子の音色や、粋な掛け声までもが届いてくるような気がします。
(1999.10.16)

日溜まりの中で、まだまだ元気に花を咲かせているダークオパール・バジル。その姿はまるで赤シソのようなのに、触れた指先に強く残る香りは、まぎれもなくバジル。この芳香と美しい色を生かして、澄んだルビー色のオイルを作って…と思いながら、私はいつもそのまま花を咲かせてしまいます。濃紫色の艶やかな葉とやわらかなピンク色の花の取り合わせは、とても気高く美しくて、秋の庭のクイーンといった風情です。
(1999.10.16)

左の写真は、クリスマス用に早々と作っておいた寄せ植えの大きくて丸いプランター。匍匐性ローズマリーなどをヒイラギの根元にあしらってみました。でも、ここでご紹介したかったのは、このプランターの植物たちではありません。ローズマリーの株のあたりをご覧下さい。何か変わったものが見えませんか…?
ローズマリーの香りのするこの小さな茂みが大好きな我が家の可愛いハムスターが、お散歩中なのです。ベージュ色の身体と茶色の耳を持つ彼女が我が家の一員になって、もう1年半。初めてあったその時に、家族一致ですぐに決まった名前が「ぶたこさん」。ふだんは「ぶーちゃん」と呼ばれています。動物好きな主人が飼育責任者なのですが、さすがによくなついて、玄関に置いたケージに住む彼女、主人が帰宅すると巣箱から出てきて、私より早くお出迎えします。主人の休みの日には、こうしてお庭のお散歩。このプランターがよほど気に入っているらしく、ここに置いてあげるといつまでも中で遊んでいます。
(1999.10.16)


+++ 紅葉映える水源の森へ +++

娘が通う小学校のPTAの研修旅行で、群馬県水上町にある奈良俣ダムに行ってきました。こちらを出た時は、どんよりと曇った空から今にも雨が降り出しそうだったのに、ちょうど目的地に着く頃には青空が顔を出して、まさに紅葉の盛りを迎えた山々の上は高い高い秋の空。ほっと一安心して、ダムから更に奥の山まで営林局の方やCCCという自然環境保護団体の方々の案内で入り、この旅行の一番の目的であったブナの植樹を体験しました。
この辺り一帯は、首都圏の水瓶と言われる多くのダムを抱える利根川の水源の森。ブナの多い山の紅葉は、とても鮮やかな黄色が主役です。その所々に、アクセントのように散りばめられた真っ赤に染まる木々や青々とした常緑樹が、陽を透かし、奈良俣湖の水面に映えて、とても幻想的な美しさを見せてくれました。


(1999.10.31)


BACK『10月の庭-1』 Garden Diary目次 NEXT『11月の庭』


HOMEWelcome MessageBig Mary's StoryGarden DiaryTrouble&CareFAQSpecial Thanks