〜7月の庭〜
梅雨の晴れ間に


くる日もくる日も灰色の空が続いて、
すっかり気分が滅入ってしまっても、
雨の止み間に庭にでてみれば、
ひときわ強く立ちのぼる、青い青い香り。
空の色も陽の光も、まるで洗いたてのよう…



ベルガモット(モナルダ)
小さな肉まんのようなつぼみが日に日に膨らみ、先端から少しずつ顔を出す細い花びらは噴水のよう。つぼみから開花までの様子がとても楽しい花です。ベルガモットオレンジの芳香に似ていることから命名されたこの花も、ティーにして美味しい種類と、あまりよい香りとは言えない種類とがあります。私の庭に咲く2種は、あいにく後者の方。日本でも昔から「たいまつ花」の名で親しまれてきたものは、香りも良い上に炎のような深紅の花が見事です。
私の庭にこの花が咲き始めると、ミツバチたちの羽音が、一日中賑やか。そーっと近づいては花殻を摘んだり収穫を兼ねた切り戻しをして、次々開花するように手入れをしています。
(1999.7.1)

ベルガモットと並んでミツバチたちに愛されるヒソップ
柳を思わせる繊細な草姿と、ミントに似た香りを持つことから「ヤナギハッカ」とも呼ばれます。今私の庭に咲くのは白と紫ですが、他にもブルー、ピンクなどがあります。これもまた咲き終わった花をこまめに剪定すると、花期が長くなります。挿し木で簡単に増やすことができますが、くれぐれも過湿にはご注意。今では私の庭のあちこちに立派な株に育ったものがありますが、まだ知識も経験も乏しかった頃、水の与えすぎで枯らしてしまったこともありました。
切り花にしても水揚げがよく長持ちし、ラベンダーの季節が終わった後、アレンジメントで活躍。また、一種類だけをたくさん切って挿しても、夏らしく涼しげな風情が楽しめます。
(1999.7.1)

あまり陽当たりの良くない庭の片隅で健気に咲くスィートウッドラフ。茎を中心に放射状に連なる葉の形が、とてもユニークです。晩春から可愛い星形の花を次々咲かせ、そろそろ終わりに近づきました。このハーブは、乾燥させると干し草のような甘い香りを放ち、よくポプリなどにも利用されています。
(1999.7.1)


+++ 初夏の花かご +++

福祉体験「手話教室」という親子参加の行事を企画主催する事になり、講師の方に差し上げるハーブのアレンジメントを作ってみました。梅雨時とはいえ前日の晴天で花の状態も良く、お土産用のミニバスケット2つと、メインテーブル用の飾りができました。咲き始めたひまわりナスタチウムをアクセントに、庭中のペニーロイヤルも総動員。パイナップルミントヘリクリサムの涼しげな白い葉もあしらいました。春たけなわの頃のアレンジとはちょっと趣の違う、夏らしさの漂う花々です。

ハーブアレンジを作ると、「いい香りですね」「きれいですね」というお言葉をいただくのがとても嬉しいのですが、今日は「ありがとう」という手話が何より光栄に思えました。
(1999.7.2)


家の外壁に添わせたソープワートが、ちょっと窮屈そうに咲いています。このソープワート、家に来て5年目の夏を迎えたのですが、毎年地下茎でどんどん増え、横に広がって他の花を追い出してしまうため、今年は早いうちから株を整理してこんなふうに輪状のガードをつけました。本当は広い場所でのびのびと育てて上げるべきものなのですが、庭の事情で仕方なく可哀想な思いをさせています。
樹液に含まれるサポニンという成分が、水をつけて揉むと細かい泡となり、かつては洗濯にも用いられたということが納得できます。ただし、根は有毒な成分を含んでいるので注意が必要です。
(1999.7.5)

ハーブばかりをご紹介している私の庭の、異色の住人マンリョウ
もともとこの庭は和風でクラシックな草花ばかりだったのを、私がすっかりハーブガーデンにしてしまったわけですが、やはり古い日本家屋にはこんな植物がよく似合うのです。庭のあちこちにいつの間にか実生のマンリョウが増え、どうしようかと思っていたところ、お向かいの奥様が鉢植えにしていらっしゃるのを見て私もまねしてみました。冬になったら家にとりこんで、鉢のまま縁起のいいお正月のお飾りになるでしょう。
実ばかり愛でられるマンリョウにもこんな可愛い花が咲くことをちょっとご紹介したかったので。
(1999.7.5)

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