〜6月の庭・3〜
今年の梅は大豊作



私の庭の梅の木は、この家を建てたときからあるというのですから、おそらく樹齢約50年。見上げるほどの老木です。3年ほど前、かなり大幅な剪定をしてもらった後、昨年までは収穫量も少なかったのですが、今年はかなりの大豊作です。
ちょうど穫り頃の6月中旬の日曜日、運良くお天気も快晴。まず、下から届くところは私が、木に登った主人も手の届くところまでをひとつひとつ丁寧に穫ります。それぞれの小さな籠がいっぱいになると、娘が行ったり来たりして空いた籠と取り替えてくれます。こうして穫れた傷のないきれいな梅を、我が家ではちょっとふざけて「手もぎ最高級品」と呼んでいます。

そして手の届かないところに残った実は、ちょっともったいないけれど、物干し竿でたたき落として拾います。殆どが下に落ちるときひびが入ってしまいますので、「二級品」になってしまいますが、これも用途によっては十分美味しく利用できます。

収穫した梅は、ざっと重さを量り、ご近所にもお配りします。今年は全部合わせて42キロも穫れました。傷のない梅は梅酒を漬ける方にとても喜ばれます。私は梅酒は漬けませんが、梅干しと梅シロップ用あわせて15キロを漬けます。近頃の市販の梅干しは化学調味料で味付けされているものが多いですが、天然塩だけで漬けた手作りの梅干しは、素朴で昔ながらの美味しさがあり、我が家の食卓には欠かせません。
梅シロップは、暑い季節のジュース代わり。氷を浮かべて冷たい水割りも美味しいですし、ペリエなどソフトな炭酸で割ったものもすっきりしていて好評です。冬はお湯で割っていただくと、からだもポカポカ暖まります。私は氷砂糖ではなく洗双糖という種子島産の茶色い砂糖を使いますので、すこし琥珀がかったシロップになります。

収穫後のひと休みに、葉だけになった梅の木を眺めながらのティーブレイクは、アイスティーの甘み付けに昨年の梅シロップを入れたもの。クセのない紅茶を使うのが美味しくいただくコツです。半発酵の中国茶に合わせてもまた違った味わいが楽しめますよ。
朝早くから始めた梅穫りも、全部終わる頃には陽もすっかり高くなってきて、今日も暑い一日になりそうです。涼しくした部屋でゆっくりお昼寝でもしたい気分ですが、梅を洗ってアク抜きし、明日の漬け込みの下準備など、私の仕事はこれからが大変。それでも家族の喜ぶ顔や、毎年私の梅干しを楽しみにしてくれている友人の顔を思うと、とても楽しい作業です。
(1999.6.13)


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