〜5月の庭〜
かおる風、まばゆい光・・・


ハーブを育てていて、本当に良かった…
そんな気持ちを一番強く感じるのは、何といっても5月。
どの株もみるみる鮮やかな緑の葉を繁らせはじめ、
色とりどりの花々が咲き競い、日々華やかさを増してくる庭。
緑の風に乗って漂う芳しい香りに包まれて、
いつまでもいつまでも、庭にたたずんでいたい気分…



チェリーセージの花が盛りを迎えました。
赤くて丸みのある、とっても愛らしい花です。
この写真はエントランスの寄せ植えのプランター。ムルチコーレの黄色い花とのコントラストが鮮やか。花期も長く、切り花にしても楽しめるので、この時期とても重宝です。赤褐色のガクを残して花が散った後も、丸みがあって可愛い葉がアレンジメントなどで活躍します。
今年は新たに花色がサーモンピンクの「ヤメンシスサーモンイエロー」という種類を購入しました。開花する日が待ち遠しくて…
(1999.5.5)

ミントベルが満開です。
3号のポット苗で私の庭の住人になって5年め。最初の年は寄せ植えのプランター、翌年からは大きな素焼きの鉢におさまっていましたが、昨年の花壇大改造の折り、思いきって地植えにしてみました。
それが気に入ってくれたのでしょうか、私の背を越し、伸びやかに枝を広げて、花つきも例年に増して良いようです。
花が終わった後も、ミントをさらに甘くまろやかにしたような香りの葉や枝が楽しめます。
(1999.5.5)

左の写真はナツメグゼラニウム。ピンクの花が多いセンテッドゼラニウムの中では珍しく赤い花です。
右はジンジャーゼラニウム。葉に触れると、甘くスパイシーな香りが漂います。
以前は、センテッドゼラニウムにはそれほど興味がなかったのに、長野県に住む友人の影響を受けて、今では夢中。
花に芳香のあるトレイリングオークゼラニウム、王者の風格漂うローズゼラニウムなども、今を盛りと花を咲かせています。
(1999.5.5)

ナスタチウム
葉の形も花の付き方も、何となくユニークで大好きな花のひとつです。
特に、お日さまを受けて輝くようなこの黄色の花が気に入っています。
ただ、十分気をつけていても、すぐエカキムシの被害にあって葉が見苦しくなってしまいます。毎日チェックをし、傷んだ葉や花がらを摘んであげると、盛夏の一時期を除き秋まで楽しむことができます。
(1999.5.10)

クレマチス
私の大好きなガーデナーのターシャ・テューダーさん(本業はイラスト作家ですが)の、言葉にならないほど素敵なお庭を紹介した『ターシャ・テューダーのガーデン』という本のなかに、クレマチスとオールドローズの花がよくマッチする、という一説があります。絡み合いながら家の壁を這い上がるようにのびるその姿を撮した写真に魅せられて、真似をしたいと思ったのですが、あいにく私の庭のオールドローズたちは、この時期はまだほんの堅いつぼみ程度。
でも、このあでやかさ、単独でも十分見応えのある花です。
(1999.5.10)

エルサレムセージ
この庭に来て3度目の花期。さすがに丈も1メートルを越して手を広げるようにたくさんのびた枝先にはつぼみがいっぱい。でも花が開き始めているのは、まだわずかです。
エルサレムセイジはセイジの名を持ちながら、分類上はsalvia属ではありません。ですから、葉をお料理やティーに使ったりはできませんが、黄色いボールのように丸々とした花穂は、とてもユニークな庭のアクセントとして楽しませてくれます。
(1999.5.20)

ジャーマンカモミールが満開です。
ご存じリンゴの香りのする可憐な花です。先日の強い風と雨で、ちょっと草姿が乱れてしまいましたが、ちゃんと起きあがって毎日たくさんの花を見せてくれます。このジャーマン種はこぼれ種子でみるみる増え、毎年春になると「えっ、こんな所にまで?」と驚いてしまうほどあちらこちらから芽を出します。
このほかにローマン種もありますが、こちらは花だけでなく葉もリンゴの甘い香りで、触れるのが楽しみ。
(1999.5.20)

クリーピングタイム
花壇のボーダーに植えたクリーピングタイムが青々と繁りはじめた頃、昨秋に鉢上げをして観葉植物代わりにずっと室内で育ててきたもののほうは、急に元気がなくなってきました。お日さまの軌跡がずっと高いところを巡る季節になり、窓辺の暮らしもそろそろ限界なのかしら?外が恋しいのかしら?…と、庭に出してあげました。それからたった5日ほどしかたっていないのに、みるみる葉の艶が良くなり、こんなに元気に。やはりハーブは、外の自然な空気や光が好きなのですね。
(1999.5.20)

ハーブたちのアレンジメント
自分で育てた花を摘んで飾るのも、庭仕事をする者に与えられた楽しみのひとつです。もちろん、とびきりの美しいところを摘んでブーケやアレンジメントを作ることもあるのですが、今日は庭の手入れをしていて込み合ったところを透いた枝や花を使って、いわばリサイクルアレンジメントです。それでもこれだけのものができました。ただ無造作に生けただけですし、ちょっとクタっとしていますが、すぐに水があがってしゃんとしてくると、それなりの形になってくれるんですよ。簡単な手入れをしてあげれば、1週間以上も美しいまま楽しめます。


(1999.5.20)

ヤメンシスサーモンイエロー
とうとう咲きました!このページの最初のチェリーセージのところでお話ししたサーモンピンクの花が。まだ花穂は3本だけですが、この苗が大きくなってたくさんの花を咲かせたら、どんなに素敵でしょう。赤花種がアメリカンチェリーなら、こちらは日本のさくらんぼ、といったところでしょうか。とてもとても優しい色合いです。
(1999.5.30)

寄せ植えのラムズイヤー。まだ娘が幼い頃、「ひつじさんのお耳みたいでしょ」と触らせてあげて以来、彼女はこのふかふかした銀色の葉が大のお気に入りです。 アレンジなどにも大活躍の葉だけでも楽しめますが、やはりすっと立った茎にモコモコっと咲く花を見ると愛しさもひとしおです。名のあるハーブガーデンなどを訪ねると、よくボーダーで見事に咲かせているのを見かけますが、私の庭では地植にすると横に倒れたり下葉が傷んだりするので、プランターなどで栽培しています。
左の写真は、私の庭で一番大きなテラコッタの寄せ植えです。センターツリーはリンデンなのですが、こちらの開花はまだ先。しばらくの間、主役の座はラムズイヤーです。
(1999.5.30)

ローズマリーのミニリース
ちょっと邪魔なところを落としたローズマリーの枝でミニリースを作りました。ジャスミンをたくさん剪定したときに作っておいたリース台は、こんな時とても重宝します。こうして素焼きのオーナメントをつけて飾ると、すっかり古びた味わいの家の外壁にもよく似合うのです。さて、この鮮やかな緑が長持ちするように、カラリと晴れた日が続くことを祈りましょうか。
(1999.5.30)

ワイルドストロベリーの可愛い実
他のベリー類に先駆けて、小指の先ほどの小さな赤い実をつけました。いつも食べてしまうのがもったいなくてそのまま眺めて楽しんでいます。
ウェッジウッド社の磁器にこの名の付いたシリーズがありますが、何とも優しいフォルムのピオニーには、特に似合いの柄だと思います。
(1999.5.30)

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