議会活動

平成17年3月議会一般質問の議事録全文

 

平成17年3月8日(火曜日)

◇議長(星野佐善太君) 次に、布施辰二郎議員。10番。

〔10番 布施辰二郎君登壇〕

◇10番(布施辰二郎君) 通告に従いまして一般質問いたします。 今回、私の質問は、表題で、新しいまち 沼田づくりについてであります。  項目では、市町村合併と新市のビジョンについてと新市の観光行政についてであります。 まず、市町村合併と新市のビジョンについてから伺います。  財政的な優遇措置が受けられる合併特例法の申請期限が、本年度3月末と迫ってまいりまして、県内でも合併協議がほぼ固まってきたと思っております。一昨年4月の神流町を皮切りに、昨年 は前橋市、今年になって伊勢崎市と我が沼田市も生まれ変わりました。また3月には、新太田市が誕生するということであります。合併特例法に基づく合併期限は、来年3月末で、平成の大合 併では、県内70市町村が最終的には39市町村に再編されるのではないかと言われております。合併しない所は25市町村で、全体では12市、17町、10村となる公算が大きいということ であります。 過日、私は、県庁の市町村課に伺いまして、県内の合併問題の様子をお聞きしてまいりました。新聞報道にもありましたけれども、前橋、高崎両市は、人口30万人以上の中核市に、また、太 田、伊勢崎両市は、20万人以上で、特例市になるということであります。このように規模の大きな自治体はさらに拡大する一方、合併をしないで自立を選択した小規模町村との格差は一層広 がると思われます。また国は、特例法期限後も4月1日施行の新法で、合併を促す方針で、総務省の指針に沿って都道府県は合併推進構想を策定、斡旋や勧告を行えるとしておりますが、本県 では、この合併推進構想を策定するかどうかは今のところ決まっていないということでしたし、斡旋や勧告なども法的には拘束力もないし、あくまでも各自治体の意思次第というお話でありま した。 ちなみに利根沼田では、3村が合併しないということであります。このような経過のある中で、私たちのまちは紆余曲折はありましたけれども、去る2月13日、合併をいたしました。多くの 地域住民からおめでとうと声をかけられて、当日は寒い朝でしたが、うれしくて体が熱くなるようでありました。新市におきましては、人口5万5,000強、世帯数で約1万9,000であ ります。合併に当たり、新市の将来像を、「水と緑の大地・田園空間都市」と掲げましたが、17年度は新生沼田市の新年度でもあり、第四次総合計画の最終年度でもあります。すでに新しい 総合計画策定事業も始まるようでありますが、新市の総合計画の進め方について伺います。 次に、特例債の有効活用についてでありますが、法律では、地方債に関する特例として、平成 11年の合併特例法の一部改正により、合併市町村が市町村建設計画に基づいて行う特に必要と認められる公共的施設の整備、合併市町村の地域住民の連携の強化、または旧市町村の地域振興 のための基金の積立等に要する経費について、市町村の合併が行われた年度とそれ以降の10年度に限り地方債をもってその財源とし、その元利償還金の一部について基準財政需要額に算入さ れることになったということであります。ここで言う地方債というのが、合併特例債のことであります。 対象事業といたしましては、合併後の市町村が、その建設計画に基づいて行う事業で、旧市町 村間の道路や橋梁、トンネル等の整備、住民が集う運動公園等の整備、合併後の市町村内の行政サービスの水準の均衡を図るための施設の整備などですね。今後の市町村全体としてのバランス のとれた発展を図るためにこの特例債はあると思いますが、特例債の有効活用について市長のお考えを伺います。 次に、近隣自治体とのメリハリについてでありますが、市町村合併の関係者、市長をはじめ多 くの皆様のお陰で合併することができました。本当におめでたいことでありましたし、うれしいことでありました。けれどもこれで全部終わったわけではないと思います。細かいところの調整 はまだまだ残っていると思います。しかし、そのほとんどは大枠で決定されておりますので特に問題はないものと思っております。私がここで主張させていただきたいことは、合併によって3 年、5年、10年と経過していくときに、真に合併して良かったと、多くの地域の皆様に思っていただけるようになってもらいたいということです。合併しなかった地域からもうらやましがら れるようなまちづくりをしなければならないということであります。このようなことを踏まえて、近隣自治体とのメリハリについてのお考えを披瀝願います。  次に、観光行政についてからですが、私たちが住むこの利根沼田のことを風光明媚な所だとか、山紫水明の所だとか、よく聞く言葉であります。どちらも同じような意味だと思いますが、確か に少し足を伸ばしてみますと大きな山、小さな山、それぞれ特徴があってすばらしいですし、利根川をはじめ大小の川、日本一と呼ばれている河岸段丘など、どこへ行ってもよい景色でありま す。地元におりましてもすばらしい景色だと思うくらいですから、おそらく利根沼田以外から来られる方々はもっと、もっとすばらしさを感じられていると思います。そしてさらに数々の温泉 もあります。現在、一年間でこの沼田に来られる方は1,000万人以上と言われており、さらに、旧沼田市だけでも100万人以上と言われております。しかしながら、その観光客のほとん どは沼田を素通りしてしまうということでありますが、現在までの取り組みについて伺います。 次に、観光振興と道路網の整備についてでありますが、観光振興につきましては、合併に伴い 拠点となる観光地が大幅に増えたことと思います。これらの拠点の一つ一つが発展をし、盛んになるような政策が必要だと思いますがいかがでしょうか。  また、道路網の整備についてですけれども、合併に伴い急に身近に感じるようになりました白沢町と利根町でありますが、ここでは椎坂トンネルについて伺います。過去には大きな選挙があ る度に、トンネル開通の話が政策として話題となっておりましたが、いずれも現実には至りませんでした。この路線は昔から主要幹線道路でありましたが、合併したことにより特に重要な道路 になったと思っております。利根町には、国の天然記念物吹割の滝や老神温泉などの観光地が多く、また、日光にも通じているところから、どんな困難を乗り越えてでも本市の将来のために実 現をしていただきたいと私は思っております。そこで、全体的な道路網の整備についてお伺いをいたします。 次に、観光資源の発掘と見直しについてでありますが、バブル崩壊後、右肩下がりの経済が続 いております。地方になればなるほどそれは顕著になっているように思います。そんなことから、経済のお話しなどはよくお聞きいたしますし、講演会などにも東京まで何回となく参加してまい りました。某有名大学の教授のお話しでは、昔からの名所旧跡と言われている所でも、調査をしてみるとあまり価値のない所もある一方で、観光地として立派に栄えているところも随分ある。 小さな種でも地域で育てていけば立派な名所旧跡になり、観光地になるというお話しを聞いたときには唖然としたり、なるほどと頷いたりしたことがありました。以前、私は、柳町に殿様清水 というところがあると、地元に方にお聞きしたことがありました。そこは、天文元年1532年ということですから、約500年も前のことになりますが、沼田氏12代の沼田顕泰という殿様 が、まだ柳町の幕岩城にいた頃、水の少なかった沼田の台地にあって、崖の下から湧き出る清水を飲用していたという伝説であります。その清水は今でもこんこんと湧き出ているということで す。その後だとは思いますが、白沢用水や川場用水などが整備され、現在では利根町から水をいただいているところであります。この度の合併に伴い市の面積も広くなりましたので、おそらく まだ眠っている観光資源があると思います。また、既存の名所、旧跡なども見直しを行うことによってすばらしい観光地に変身する可能性もあると思いますが、観光資源の発掘と見直しについ て伺います。 次に、天然記念物と文化財についてでありますが、市内に点在する天然記念物や文化財などが、現在どの程度観光行政に反映されているのか。また観光に利用されているのかお伺いをいたしま す。そして、とりわけ私は吹割の滝が好きで、過去に10回ほど訪ねております。つきましては、資料館の整備計画があるということですが、具体的にどのようなものなのかお伺いをいたしまし て1回目の質問を終わります。よろしくお願いをいたします。

◇議長(星野佐善太君) 市長。

[市長 星野已喜雄君登壇]

◇市長(星野已喜雄君) ただいまの布施議員のご質問にお答えを申し上げます。 まず、新しいまち 沼田づくりについて、市町村合併と新市のビジョンについて、新市の総合 計画についてでありますが、先の小林議員にお答えを申し上げましたとおり、平成13年度からスタートした第四次総合計画につきましては、平成17年度が最終年次となります。また、昨年 の合併協議において策定した新市建設計画につきましては、新市の将来像を「水と緑の大地・田園空間都市」と掲げ、合併後10年間の新沼田市のグランドデザインと位置づけて策定したもの であります。総合計画につきましては、新市の将来像やまちづくりの基本理念等を構想するとともに、それらを実現するための施策展開を体系的に計画化するものでありますが、新市の総合計 画につきましては、現行の第四次総合計画と合併に伴う新市建設計画の両方を踏まえる必要がありますので、その整合性に十分意を用いるとともに、市民の皆さんや関係者の皆さんのご意見を 伺いながら、さらなる市民福祉の向上と新市のすみやかな一体化の推進並びに地域ごとの個性を生かした、各均衡ある地域の発展を図るための計画として策定してまいりたいと考えております。  次に、特例債の有効活用についてでありますが、合併特例債につきましては、議員ご案内のとおり合併に伴う国の財政支援措置の一つであり、充当率95%でその元利償還金の70%が後年 度交付税に算入される合併年度とそれ以降の10年度に限って発行できる起債でありまして、合併後の市町村のまちづくりのための建設事業に対する合併特例債の発行限度額は約150億円と なっており、新生沼田市のまちづくりのため極力有効な活用を図ってまいりたいと考えております。しかしながらいかに有利と言っても、33.5%の自己負担を伴うことも事実でありますの で、合併したとはいえ依然として厳しい財政状況を勘案し、その使途につきましては、既存事業への財源としての活用も検討しながら、今後策定される新市総合計画の財政計画と併せて対応し てまいりたいと考えております。 次に、近隣自治体とのメリハリについてでありますが、利根沼田地域の今後、当面の姿は1市2村による新沼田市の誕生と本年10月に合併予定のみなかみ町の誕生によって、本年中に1市 1町3村に再編されることになります。特に、自立を選択された自治体におきましては、さらにこれから生き残りをかけた厳しい改革が迫られてまいりますし、合併をした本市におきましても、 今後引き続き厳しい財政状況が想定されるところであります。しかしながら、合併したことにより、今後そのスケールメリットを生かした行財政の合理化を進めていくことが可能であると共に、 今後10年以上にわたる国の財政支援を受けられる状況にあることは、合併しなかった自治体との大きな違いであります。本市といたしましては、合併という手段を選択したことによって得た 有利性を十二分に活用しながら、さらなる市民福祉の向上と行財政改革に努め、議員ご意見のとおり利根沼田の中核都市として活気と希望に満ちた、誇りの持てる新生沼田市の建設に向けて全 力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新市の観光行政について、現在までの取り組みについてでありますが、これまで合併前の各市村がそれぞれの特性や観光資源を生かしながら独自の観光事業を展開する一方で、利根沼 田広域圏の一員として奥利根湯けむり街道の共同キャンペーンや日本ロマンチック街道のビストラ事業などを実施する中で、それぞれの観光地が連携して情報提供も行ってきており、こうした 中で観光客が各拠点を回遊できるような仕組みも徐々にできつつあると考えております。なお、従来からの沼田市の観光資源に加え、白沢町や利根町にある豊富な観光資源を広くPRするため、 新年度において総合観光パンフレットの作成などを予定しているところであります。 次に、観光振興についてと道路網の整備についてでありますが、観光振興について、本市には 沼田城址公園をはじめとして数多くの歴史的資源、迦葉山や玉原高原、吹割の滝、皇海山などの自然資源、老神温泉をはじめ望郷の湯、しゃくなげの湯などの温泉施設など多くの観光資源に恵 まれ、りんごに代表される観光果樹の生産なども盛んであります。これらの観光資源や観光施設などが相互に連携し、ときには競争し、そして整合をしていく中で、観光地としての魅力や、サ ービスの質を高め、集客力の向上につながるよう関係者共に研究してまいりたいと考えております。 また、道路網の整備についてでありますが、道路は地域の発展や生活の向上に欠くことのでき ない社会資本であり、人の交流や物質の流通を盛んにし、さらにライフラインの重要な施設として豊かな地域づくりに大きく貢献するものであります。議員の言われる椎坂トンネルが開通する ことにより、冬期の交通安全が図られ、観光振興にも多いに貢献できるものと考えておりますが、現段階では県において地質調査を実施中であります。今後の新市における交通ネットワークにつ きましては、地域特性である観光や周辺状況を踏まえた上で道路整備を構築したいと考えております。 次に、観光資源の発掘と見直しについてでありますが、先ほども申し上げましたように、本市 は数多くの観光資源に恵まれ、近年、観光果樹の生産では、さくらんぼやブルーベリーなどが大きな注目を集めるようになっていることはご案内のとおりであります。これらの観光資源を大切 にする一方で、これまで身近にありながらその価値に気付きにくかった様々な資源に光を当て、新たな観光資源として活用できるよう観光協会等と協力しながら観光開発を進めてまいりたいと 考えております。 以上申し上げまして、布施議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、天然記念物と文化財について、吹割瀑を含むにつきましては、教育長から答弁をいたさせますので、よろしく お願いをしたいと思います。

◇議長(星野佐善太君) 教育長。

[教育長 角田利喜雄君登壇]

◇教育長(角田利喜雄君) 先ほどの布施議員のご質問にお答え申し上げます。 天然記念物と文化財についてでございますが、沼田市におきましては、国指定の重要文化財と して旧生方家住宅、また、天然記念物として薄根の大桑、吹割渓、並びに吹割瀑をはじめとして、県や市指定等の多くの文化財がございます。これらの文化財は、先人により守り伝えられてきた 貴重な財産であり、我々だけでなく次の世代に継続すべき宝でありますので、その保存はもとより、積極的に公開、活用を行う努力が必要であると考えております。  次に、吹割渓、吹割瀑についてでありますが、昭和11年に国の天然記念物及び名勝に指定され、管理団体である利根村においては、昭和56年に第一次保存管理計画を策定し、その保存管 理に努めてきたところでありますが、現状変更行為に関する問題等も生じ、合わせて遊歩道や周辺整備等の保存及び公開活用の立場から文化庁の指導もあり、平成16年に第二次保存管理計画 を策定し、その中において自然史資料館構想が位置づけられており、今後、吹割渓、吹割瀑の総合的な整備計画の策定も含めながら、保存はもとより地域おこしや観光拠点として活用を図って いきたいとするものでございます。 以上申し上げまして、布施議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。

◇10番(布施辰二郎君) ご答弁をいただきましたので、何点かについて再質問をさせていただきます。 いよいよ第四次総合計画も残り一年となったわけでありまして、第五次総合計画ももうすでに 段取りは進んでいるのかな、始まったのかなと思いますが、已喜雄市長になって初めての新市の総合計画でありますので、いつも市長おっしゃっておりますように市民参加とか、市民の協働、 情報の共有など言われておりますけれども、この第五次の総合計画にどのように盛り込んでいかれるのか、まず教えていただきたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君) 布施議員の再質問にお答えをしたいと思いますが、先ほど来、小林議員のご質問にお答えをしてきたとおりでありますが、やはり時代の流れというのが参加、あるい は協働等々はもはや避けて通れない、もう地方自治運営上の一つの大きなテーマになっております。したがいまして、できるだけ広範囲にわたって市民の声をいただけるような形で作っていか なければならないと思っております。とりわけ、協働ということについてはいささか考えがございまして、と申しますのは、少子高齢化社会を迎えてきた現状の中にあって、行政の需要が飛躍 的にこれからの、その要請度が高くなってまいります。しかし、先ほど来からお話しのとおり、なかなか財源の確保はままならないという、そういうことになり、したがいまして財政の確保が ままならないという、いわゆる流れ、しかし行政需要は伸びるということになりますると、必然的にそこには空欄ができてくるわけです。この穴埋めをしていくということが、いわゆる参加で あり、協働でありということになってまいりまして、そういう時代の流れにもはや突入してしまったということになろうかと思っておりますので、その辺のことについては十分意を用いていか なければならない、こんなふうに考えております。

◇10番(布施辰二郎君) ありがとうございました。先ほどからこの問題については私も聞いておりまして、市長の先ほどの答弁でも市民の英知を結集して総合計画を作るのだと、こういう お話しでありましたので、それに尽きるかなと思うのですけれども、先ほども話が出ておりましたけれども、分権時代のまちづくりの主人公は市民であるということで、平成15年6月にまち づくり市民参加検討会議が市長に諮問を受けて、そして提言書をまとめて提出いたしました。市長もこれは読まれたと思いますけれども、第五次総合計画を作るに当ってですね、参考になると ころもずいぶんあるなと思ったのですけれども、民間活力の導入、どのように取り入れていかれるのか伺いたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、ご提起された関係については今回の新総合計画を作るに当って、当然参考にさせていただくということになろうと思っておりますので、ご理解を賜 りたいと思っております。

◇10番(布施辰二郎君) わかりました。よろしくお願いをしたいと思います。 次にですね、特例債について伺わせていただきますが、2005年度の一般会計、当初予算案、 先ほど発表されました。総額で226億余で、実質では0.5%増ということで、これは旧沼田市から5年ぶりにプラスになったという話ですけれども、合併に伴う特例債の計上を見送った反 面、約32億円の財政調整基金から29億円を取り崩して当初予算案に繰り入れたということですが、私は、特例債は、合併した当該年度からこれは申請すれば使えると思っておりまして、こ れはチャンスだと実は思っていたわけでありますが、結局、合併をいたしますとどうしても旧村部の予算措置が減るのではないかと、こういう心配をしていたものですから、この特例債を初年 度から使って地域の皆様に安心していただけるようにと、こう思っておりましたけれども、その点について答弁をお願いいたします。

◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、先ほど総合計画のところでも話をしましたとおり、なかなか財源確保が厳しい時代になってまいりました。現実に積み残しの事業もございます。しかし、いわゆる少子高齢化社会を迎えた中で、福祉医療の仕事は待ったなしでございます。とな ってまいりますると、どうしてもそこのところの一つの空欄というか、穴埋めができないところの部分は、先ほど来、お話しのとおりこれからの協同協知の理論を持ってですね、総合計画を作 ったり、あるいはまちづくりをしていくということになろうかと思っております。今回のこの特例債の関係につきましては、ご案内のとおり私どもの助役が、県の財政課に長くおりまして、非 常にこういったことについては深い認識と分析力を持っておりまして、新市に当ってこれをうまく活用すべく実は検討もいたしましたが、なかなか適債事業が現状の時点では見つからずと言っ たらよろしいでしょうか、そういったことから慎重に実はしてまいりました。特例債に対する期待を当然持っているわけでございますけれども、やはり特例債とてこれは借金には間違いないわ けでございまして、そういうようなことから、これらを使っていくには慎重にしながらも、しかも適債事業をこれからいろいろと、総合計画等踏まえながら発掘したり、あるいは創設したりす ることによって、使用頻度を高めていくということが大事なのかな、このように感じております。助役から補足答弁をいたさせます。

◇議長(星野佐善太君) 助役。

◇助役(金井可佐夫君) お答えをいたします。 議員が、特例債の対象事業についてはよくご案内のことと思います。まず、1点は、特例債を使う場合には、新市の建設計画に事業が計上してあるという大前提がございます。それを踏まえ まして議員が先ほど質問の中でふれましたように、旧市町村間の道路や橋梁ほか市町村間の連絡道路、あるいは新市になって建設をいたします住民が利活用する運動公園等、それから一番大き いのは、合併後の市町村間の不均衡を是正するために施設整備をする。こういう要件がございまして、これに該当する案件については合併特例債が適用になるというふうになっております。一 番問題なのは、継続事業につきましては、合併特例債の使用は現在のところなかなか難しいという状況がありまして、現在のところ設計をしておりまして、17年度に事業を起こしたいという、 こういうのがあったとすると、それは先づもなものですから総務省はいかがなものかというような状況があるのでありますので、そこら辺のところにつきましては、新年度はそこら辺を詰める 時間的な余裕もありませんでしたので、新市になってから十分、県の方が起債の許可はするわけでございますけれども、県の方の調整をして、適債事業があればまたその時点で対応していきた い。こういうことで建設事業等につきましては、当初予算での計上は見送ったと、こういうことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。

◇10番(布施辰二郎君) それでは、この件についてもう1回ちょっと教えていただきたいのですけれども、例えば市長は、特例債に過度に期待すると後年度の財政負担に重くのしかかると いうこともおっしゃっていらっしゃいましたけれども、10年間一切これは使いませんよというのならこれはこれで話はわかるのですけれども、そういうことにはならないと思うので、いつの 時点でその特例債を使ったとしても、これは後年度には出てくるわけで、その辺をもう少しね、今助役さんの答弁で「新市になってから考える」と、それで結構なのですけれども、その辺につ いてちょっと慎重になり過ぎているのではないかと思います。その辺についてもう一度伺います。

◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。 新市建設計画がございます。総合計画を作ります。ですから当然そういった中で適債事業を作り上げていかなくてはなりません。それには当然事業を充て込んでいく、こういうことになろう かと思います。ただあまり風聞で言われているようにですね、本特例債に対しての期待を持つということは、やはり今の時代背景を見ると慎重にとらまえていった方がいいという認識は持って おります。繰り返し申し上げたいと思いますけれども、特例債とはいえこれは借金には間違いないわけでございまして、そういうようなことから、適債事業を適切に判断をして、そして有効利 用していくと、こういうことになろうかと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

◇10番(布施辰二郎君) 特例債につきましては、どうしても150億などという話を聞くと期待の方が膨らんでしまって、初年度からパッとよくなってもらいたいなという期待があったものですからそういう質問をさせていただきました。 次に、合併についてお伺いいたしますけれども、最近の新聞報道などによりますと、全国の市 町村数は合併特例法の優遇措置適用の最終期限となる2006年3月末時点で1,896に再編される見通しであるそうですが、平成の大合併が始まった1999年4月時点では、3,229 と比べると6割弱にまで減少したということであります。財政上の優遇措置を盛り込んだ合併特例法が99年に都道府県知事に申請しなければ、99年7月ですね、成立したものですから、平 成の大合併が本格化したわけであります。そして今年の3月末までに都道府県知事に申請しなければ優遇措置は受けられないということになっております。また、4月以降の新法で再び合併促 進がされるということでありますから、それでもですね、合併しないところは全国的に見てもまだまだ残っておりますし、県内でもずいぶん残っております。私たちの利根沼田でも、過去には 1市2町6村でありましたが、現在では先ほどおっしゃっておりましたけれども、1市1町3村の予定であります。毎年続くこの国の地方交付税の減少などを考えますと、2、3年後のこの利 根沼田は、また変革があるのかなあとも考えられますが、総務省の指針、あるいは県の斡旋、勧告などを踏まえてですね、この利根沼田をどのように見据えておられるか伺います。

◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい質問でございまして、答弁には勢い慎重にならざるを得ないのですが、振り返りますと一昨年の1月の10日に、1市2町6カ村で合併協議会がスタート いたしまして、そして今日を迎えたわけでございます。各市町村民は、あるいはまた各市町村議会は、あるいはまた各市町村長さんたちは、将来の行く末をどうしたらいいかということを真摯 に考えて今日の経過を迎えたわけでございます。ご案内のとおり西部の関係等についても大詰めのところに来て、これまた若干の動きがあったことはご案内のとおりでございます。それだけに 合併というのは大変なことなのだなあということを改めて痛感すると同時に、改めて1市2村の皆さん方がここに大同団結して合併し、順調に2月の13日以降3週間、4週間を経過しようと していることは本当にすばらしいなあということと同時に、5万5,000人のいわゆる新生沼田市民の方々に対しまして心から頭の下がる思いでございます。  そういった中で、今ご質問の中にございましたように、今後のロケーション、あるいはまた2、3年後にはどのような状況になるのかという、こういうことかと思いますけれども、現行の私ど もが、地方交付税等を見て見ますると、現下の国が概ね地方交付税、24兆円ほどのいわゆる区割りをしている中で、8兆円は国が担保しているのでありますが、残った16兆は借金でござい ます。ですから必然的にですね、今回、合併に踏み切らなかった町村は、平成17年度当初予算も地方交付税の見込みというものが大変厳しいのではないか、こういう推測をいたします。私ど もが合併したがゆえにですね、その辺は救われてきている経過がございます。ですからどうしてもその辺のことについては一定の区別化、差別化が図られているという経過がございます。です からそういうことを思いますると、やはり合併しなかった町村は、今後、数年先の中で大変厳しい時を迎えてくるのかなあということと同時に、もう一方におきましては、小さな自治等々をど ういうふうにとらまえてくるのか。これがすでにそういった試みを求めているところもあるようでございますけれども、それらがどういうふうに推移していくのかというようなこともとらまえ ながら、横にらみをしていく必要があるのではないかと、このように思っております。 交付税の関係等については、助役の方から、合併したところとしなかったところについての差 異等について補足答弁をいたさせますので、お聞き取りいただきたいと思います。

◇助役(金井可佐夫君) それでは、地財対策の関係ですけれども、交付税は国税の一定割合を地方に交付する、そういう制度になっておりますのはご案内のとおりですけれども、それの不足分につきましては、先ほど市長から答弁をいたしましたように、国が借金をするか、あるいは地 方が借金をするかということで、3分の2程度は借入金で賄って、その返済は我々の子孫が返していくという形になっております。実際、国の国債も、地方の地方債も、通常ですと借金という のは投資的経費に充当して、議会の議事堂とか、庁舎とか、道路とか、そういう形で残るわけなのですけれども、今の借金は国の、30数兆円ありますけれども、30兆円というのは実は赤字 国債ということで、それは我々の給料になったり、議員先生の報酬になったり、地方も同じでございますので、そういうものを将来的に考えると交付税総額をいつまでも借金をして地方へ配分 するのはなかなか難しいということで、地財対策は年々、交付税の総額は今年度は減りませんけれども、地方財政計画そのものは年々減少にされてきております。  そういうことを考えますときに、合併をいたしましたところは10年間、特例期間というのがございまして、合併をしなくても、しなかったときと同じように交付税を措置をしましょうと、 こういう制度になっておりまして、それは優先的にということもないですけれども、カウントされるというのが一つございます。そういうことを考えましたときに、先ほど合併特例債のお話が ありましたけれども、合併特例債も発行額の70%を交付税で後で補てんしますと、こういう制度になっておりまして、合併したところは特例措置があって、特例債を発行して、これは需要の 中でカウントされて、交付税総額が伸びないとすると己から合併しなかったところについては厳しくなるのではないか。こういう想定で各市町村が合併を進めている、こういうことでございま すので、合併しなかったところ、あるいはできなかったところについては、今後はそれなりの厳しい状況が来るのではないかなというふうに想定はできます。

◇10番(布施辰二郎君) 実は私も、この合併しないところいま非常に厳しいのではないかと思っておりまして、よくそういう決断もされたなと思っておりました。ご答弁いただきましたの で次にいきたいと思います。 去る2月13日に新市がスタートいたしました。関係者のご苦労も一応一区切りできたと思っております。しかしこれからが正念場だとも思っております。先日、一段落いたしましたので、 合併に関する書類を整理いたしましたけれども、実は整理しながら資料の多さにびっくりいたしました。私たちも一生懸命やったつもりでおりますけれども、当時の事務局の忙しさ、大変さが 改めてよくわかりました。遅くなりましたけれども、市長から労いの言葉をかけてやっていただきたい。そういうふうに思います。 そのときに感じたことなのですけれども、昨年12月に合併協議会だより第7号が全家庭に配 布されました。その中に、合併後の住所表示が載っておりまして、白沢町の7つの地域、それから利根町の20の地域があります。私は、井の中の蛙でありましてほとんどわかりません。今後、 だんだんに訪ねてみたいと思っておりますけれども、そこで、白沢町と利根町を含めた合併後の一体感をどのように構築されるのか、具体的に教えていただきたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。 まず、先ほど議員がですね、合併協議の際の資料の多さに大変驚いたということと、市長の方 から労いの言葉をかけてほしいというのがございましたけれども、本当によくやってくれたと思っております。特に、先ほどの一体感のお話しがございましたけれども、沼田市と旧白沢村、旧 利根村の職員の代表選手が一丸となって、文字どおり一体感を持って頑張ってくれたと思っております。したがいまして、各職員の方々には本当によくやっていただいたということで、私の事 ですから、場面、場面に事務局にお伺いをしては、そういったことで激励もしたり、評価もさせていただいてきている経過もございまするし、現在もその意思は変わりませんし、そういったこ とで本当によくやってくれたと思っております。感謝のほかはございません。 先ほど、この一体感のことでございますけれども、やはりこの一体感は、どうしても大きく分 けると2つに絞られてくるのかなと、こういうふうに思うのです。その一つはですね、現在の、現行の環境のロケーションを何とかバリアフリー化していくということになろうかと思っており ます。と申しますのは、やはり旧沼田市と旧白沢村と旧利根村の、現行のネットワークをいかに構築していくか。それは具体的には道路等の整備になっていくのではないかと思います。ですか ら、沼田から例えば仮に利根村の平川地区まで行くのに現在40分で行くとすれば、やはり20分、25分に短縮させていくということによって距離間を失していくという環境の問題が一つご ざいます。もう一方においては、精神的な心の拠り所というか、そういうことを早くにやはり築いていく必要があるのではないか。そのための一つの大きな指針として、今回主要事務として皆 さん方にご審議をいただく総合計画が、今後一体感を作り上げていくための大きな一つのことになっていくのではないか。こういうふうに思っております。いろいろありましょうけれども、現 下で申し上げるとすれば、この2つが一体感を増していくための大きな一つの指針となるであろう。こういうふうに感じております。

◇10番(布施辰二郎君) 一体感につきまして、環境のこと、あるいは精神的なこと、そういうお答えがございましたけれども、やはり役員で出ている人達もそういうことを感じていると思いますけれども、何たって住民が一体感を感じられるように、なるべくそういうふうになっても らいたい、早くなってもらいたい。そういうことでございます。 次に、新市の建設計画から伺いますが、昨年8月、3市村の合併協議会で発行いたしました新 市の建設計画があります。時々見ますけれども、よくできている本だなと思います。今日はその中から、地域資源というところの最初に、自然と景観資源と書いてあるところがありまして、沼 田市の部では、玉原とかあるいは湿原、それから薄根の大桑、先ほどもありましたけれども、そういうことが13カ所出ておりまして、白沢町では、書院の御用松、あるいは上古語父のしだれ 桜など8カ所、それから利根町では、吹割の滝だとか、薗原湖だとか、赤城水源の森など10カ所があります。そして説明文では、新市には豊富な自然資源が分布し、新市を特徴づける魅力と なっており、観光資源として大切に活用されていると。こういうことになっておりまして、これはすごくいいことだなと思っております。私はまだ、これらの自然景観資源は100%の活用が されていない所もずいぶんあるのではないかなとそう思っております。100%というとちょっとこれは語弊があるかもしれませんが、例えば観光に来た人に見てもらうためにはですね、地元 の皆さんにもよく知っていただいた方がいいと思うのです。観光、観光と言っても、地元の皆さんがよく知らないというところもあると思うのですけれども、皆でアイデアを出し合ったり、ち ょっとした仕掛けを考えたり、多少のお金がかかることもあるかもしれません。しかし、一人でも多くの人達にすばらしい所を見ていただくためには、もっと皆で勉強したり、PRですね、宣 伝も非常に大切だと思っておりますけれども、先ほど市長、パンフレットを作るというお話しもありましたけれども、何かすごい宣伝効果のあるようなものを考えていただいてですね、これが 一番大事だなと思うのですけれども、その辺もう1点お願いしたいと思います。

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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。午後0時01分休憩

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午後1時00分再開

◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

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◇市長(星野已喜雄君) 布施議員の再質問にお答えをしたいと思います。 先立ちまして、住民の一体感の関係等について少しくふれておきたいと思っております。実は 先般、日曜日でございますが、利根町におきまして芸能祭が行われておりました。大変すばらしい発表会でありまして、非常にレベルが高いと言ったら大変恐縮でございますけれども、日舞等 通して頑張っておられました。その時に、沼田の関係者の方々が相当見学に行っておりました。私は、ゲスト出演で出られるのかなと思ったら、そうでなくて、衣装であるとか、着付けの関係 のお手伝いで来ているのだと、そういうお話しでございました。すでにそういう意味で、各部署においては、相当深いところでお付き合いがなされているなということと同時に、さらに体育指 導員の関係の方の交流会だとか、あるいは消防団の方々の交流会だとか、随所にそういう場面が見受けられておりまして、大変そういう意味では、私たちが想像以上に民間のレベルでもってい ろいろな交流が進んでいるなということを痛切に感じました。同時に、もう一つ、二つ付け加えると、かつて歴史的な人物に利根村の大楊の所に、歴史的な、著名なものが残っておりますが、 金子美濃守がご案内のとおり旧利根村の大楊の方でもあり、沼田市と大変いろいろな意味の歴史的な経過がございましたし、あるいはまた沼田の上水道の約65%がいわゆる利根村の高戸谷、 農協前の片品川から導水をしてまいりまして、そして白沢の生枝で一端プールして、さらに久屋原に上げて飲んでいること等々、そういう意味ではそういったことで具体的に、あるいは現実的 なところがあるということもこの際付け加えておきたいと思っております。 新市の建設計画の12ページからくる、いわゆる地域資源の関係をどう生かし、どうこれを内 外に発露していくかということだと思うのでございますが、先ほど答弁申し上げましたとおり、まず観光パンフレット等の作成もさることながら、先般これは教育委員会、教育長とも実はやり とりをさせてもらったのですが、私の記憶によるとですね、それぞれの町村でお年寄りが道徳教育だとか、そういう公民教育等に出て、いろいろなかつての伝統的な藁細工だとか、あるいはま た伝統的な催しものだとかいうことを指導してきている経過があるようでございます。そういうようなことから考えたりいたしますと、こういったすばらしい持ち味というものを、いろいろな 場面で一つにはパンフレット等もありますけれども、地域教育の場で生かしていけるような、そういうことが考えられるのかなというようなことを私自身感じております。すでに別な角度で、 学校教育の中でもそういった実践があるようでございますので、地域のそういったものの良さというものを、いわゆる地域の方々が認識をしていくという意味で、しかも沼田の方々が白沢、利 根のことを、白沢の方々が沼田、利根のことを、さらに利根の方々が白沢、沼田のことをというような、そういったことを認識していくための方途としてはそういったことがあるのではないか。 こんなことを感じております。なお、あとあらゆる機会をとおして、交流を進めていくことによってこれらはお互いが認識し合える状態が来るのではないか、このように感じておりますけれど も。

◇10番(布施辰二郎君) ありがとうございました。一体感につきましても補足をいただきまして本当に参考になりました。高戸谷の水道の取り入れの件については私も視察をさせていただ きましたけれども、農協のこんな急な坂の階段を下りていった所でありましたし、それからずっとその水道が沼田に来るまでのところを歩いてまいりましたけれども、本当に水というのは命の 水でございまして、なくてはならないものでありますので、ありがたいなとそのときは思った次第であります。 また、一体感につきましては、芸能祭とか、あるいは消防、金子美濃守のお話しまで聞かせて いただいてありがとうございました。物の良さというのは本当に、その地域の人達は勿論ですけれども、先ほど市長ありましたけれども、子供さんから何から、みんながあそこに行けばこうい う所があるのだよというのを知って、そして旅行者が来たときに何か話が聞かれたときには、あそこへ行くとこうだよ、ああだよというような、そんな案内までできるような、そういうふうに なっていただきたいなと思っているところであります。 次にもう一つ、この新市の建設計画から教えていただきたいのですけれども。活力を創造する まちづくり、産業づくりとしてですね、多様化する消費者ニーズをとらえ、時代動向に対応することにより活力に満ちた産業のある新市づくりを目指しますと、こういうふうにありまして、こ のため地域内の観光資源の特性を再認識し、有機的な結合とネットワーク化を進めと、こうあるのですけれども、この辺が市長、得意とするところではないかなと思ったのですけれども、いつ も言われていることでありますよね。多くの部分が結びついて全体を作り、互いに関連、影響し合っていくことだと。そういうようなことかなと私は解釈いたしましたけれども、そしてかつ都 市間の観光交流を推進することにより滞在型とか、日帰り型とか、そういった多様なニーズにも対応できる観光産業の活性化を目指しますと、こういうふうにあるのですけれども、しつこいよ うで申し訳ないのですけれども、心して実施していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

◇市長(星野已喜雄君) この観光関係のことについては、いろいろと分析をしてみますると、東洋の思想の中の易経というのがございます。これは四書五経の一角でございまして、  は、 大学、中庸、論語、孟子でありますが、五経は、春秋、あるいは易経、勿論当然入るわけですが、礼記とか、あるいは詩経、書経とかあるのですが、その易経の中に観光というのが述べられてお りまして、国が光る所を見るというところにあるのだそうでございます。ですから当然、地域全体のグレードが高まってないとなかなか観光としての位置づけはなされていかないのかなと。付 け焼き刃ではだめなのかな、本物が求められてくるのかな、こんなふうに実は感じておるわけでございます。 そういった中で、先般NHKで老神の経営者の方々が、約45分間にわたってNHKのテレビ に出演をいたしました。特に他の地域の方々との懇談もあったりしたりして、できることは何ぞやということで、雪を生かした道路上の所にキャンドルを作り上げてというようなことがござい まして、時間が許す限り早速現場を、土曜日でしたけれども見て見ましたけれども、それはそれは美しく、地域の子供たち、あるいはご父兄が一緒になってやっておりました。これらはやはり 時代の中で、老神温泉が経営者の方々がいかに将来生きていこうかということを真剣にとらまえた一つの所産ではないかというふうに思いまするときに、大変いいことをおやりになられたなと いうふうなことを思うと同時に、方法として、例えば経営者の方々が、そこにセットするのも確かにすばらしいことでありますけれども、地域の子供たちや場面によっては来訪していただいた お客さんにそういった機会を与えていけるような、そういうようなことも大事なのかなということを実は感じ取ってまいりました。 ただ、いずれにいたしましても、非常に本沼田、白沢、利根にですね、観光資源が彷彿として おります。小林議員に答弁したとおりですね、11市の中で一番面積の広い市になりました。結論から言うと、ネットワークをしっかりと図っていく必要があると、こういうことになると思っ ておりますので、今後はそういった良さのある所を部分的でなくて、ネットワーク化して有機性を図って、総合力を高めていく、こういうことが大切なのではないか、こんなふうに思っており ます。

◇10番(布施辰二郎君) ありがとうございました。NHKのテレビ、私は行けなかったのですけれども、テレビは見させていただきまして、最後の部分の雪の上にロウソクが灯った、あれ はある程度感動をいたしました。 それから次にですね、観光行政から伺わせていただきますけれども、やはり市長はすごいなと思いましたのは、私は観光という言葉を実は辞書で引いてみました。市長はもうそういうことは ご存知だったですけれども、この言葉の語源は市長おっしゃるとおり中国の古典、易経の中の観国の光に由来すると、こういうことが出ておりまして、つまり観光とは、見知らぬ国や地域を訪 ねて、そのすばらしい文物を見るということだそうであります。日常の生活を離れて温泉につかりながらのんびりと過ごす。あるいはその土地、土地の風土に浸って、特産品を賞味するのも楽 しみの一つであります。ここで一つ紹介をさせていただきますけれども、人口の100倍、1年間に約120万人が訪れる長野県の小布施町、この小布施町の町長は、まちづくりのために、歴 史の薫りがするからと言っては奈良を何度も訪れたそうであります。そして、土壁を生かした景観づくりに貢献し、人口の100倍もの人が来てくれるまちづくりができた。そういうことであ ります。そして国土交通省が、まちづくりの達人に贈る観光カリスマの全国第1号に選ばれたそうであります。ご存知のように、群馬県は観光立県を標榜しておりますし、新生沼田市も合併に 伴い観光地も増えました。市長の施政方針の中にも観光対策として、総合観光パンフレットの作成を行ったり、あるいはまた、観光事業は進めるとあります。観光も立派な産業だと思っており ますし、已喜雄市長の思い切ったカラーを出したまちづくり観光行政に力を入れていただきたい、こんなふうに思いますけれどもいかがでしょうか。

◇市長(星野已喜雄君) ただいまの小布施町の人口体から、訪れる120万人の方々が100倍になるというお話しでございましたけれども、私どもの方では、それではどうかというと、まず、総じてですね、沼田と、私の手持ちの資料によりますと、白沢と利根が合算をいたしますと、 約300万人から訪れているようでございます。沼田が約100万、白沢が59万、利根が144万、合算して概ね304万くらい。となると結局、100倍には至らないのですが60倍くら いは来ているということになるかと思っております。これはこれでやはり誇るべくことなのかなということと同時に、観光の先端をいっている小布施町に近づけるためには、やはりこの304 万という数値を何とか550万に持ち上げていくということが小布施町に近づくということかなと、こういうふうに感じておるわけでありますが、そうした場合に一体これから先々、どういう ことでもってそういったもののグレードを高めて、さらに訪れる人を多くしていくかということになりますると、やはり前段、答弁をさせてもらったとおり現在ある観光資源を生かした形のネ ットワーク化、新たな観光創造というものを企てていくということになろうかと思いますけれども、昨年の12月のときにも同僚議員の質問に答えたわけでございますが、歴史、伝統もあるし、 いで湯もあるし、大自然もあるというふうなことになったときに、なかなか横文字を使うのはなかなか憚られるのでありますけれども、どうもいろいろと各方面で勉強すると、当該地区はエコ ミュージアムが一番妥当なのかなというふうな感想を持っております。これについてはまだまだいろいろと勉強しなければならないことがたくさんあるわけでございますけれども、グリーン・ ツーリズムもしかり、あるいは温泉もしかり、あるいは体験型農業もしかり等々、総枠でくくるとエコミュージアムというのがいいのではなかろうかというふうな感想を持っておるということ を申し上げておきたいと思っております。 なお、奈良の方に小布施町の町長がばんたび伺っては勉強されてきたそうでありますけれども、私自身も新生沼田市誕生いたしまして、今議会を契機にいたしまして、できるだけそういう意味 では観光の先端をいっている地域をできるだけ勉強に出向いて本市に導入をしてまいりたいと、こんなふうに思っておりますのでご理解を賜りたいと思います。

◇10番(布施辰二郎君) ありがとうございました。エコミュージアムの話、あるいはこの3市村で合併して観光客が304万人。こんなに来ているとは実は思わなかったものですから私も びっくりしたのですけれども。なるべく一人でも多くの人に来ていただけるように努めていただきたいと思います。 次に、やはり観光行政から、PRなどについて1点伺っておきたいのですけれども。来年の2 月20日に、お隣の町となる渋川市が1市1町4村で合併予定だと言われております。伊香保町もこの合併の中に入るのですが、新市移行後は、6市町村の財布が一つになるために、合併前と 同額の観光宣伝費が使えるかどうかと、こういうことであります。伊香保温泉の観光PRは、実質、観光協会が町から補助金を受けて一手に担っていて、予算は、年間約1億2,000万だそ うでありまして、このうち町からの補助金が7,000万円余りで、主に温泉の観光宣伝費に充てられるということです。一方、この渋川市の観光協会の年間の予算は約370万ということで、 いかに伊香保温泉のこの宣伝費が大きいかわかると思います。これは去る1月末に新聞報道されたことでありますが、伊香保温泉観光協会では、観光地という特殊性を理解してほしい。観光地 にとって宣伝費は誘客手段として不可欠なのだと。宣伝費の消滅は誘客に影響を及ぼすということでありますけれども、考えてみますと、私たちの町にも温泉街ができました。雄大な自然と美 しい環境に恵まれた北毛の拠点都市を目指すとして、県内初の地域自治区制度を導入いたしました。合併で旧村部がさびれないよう自治の拠点を残し、地域の振興を図ると市長もおっしゃって おります。全国的にも先駆的な取り組みということですから、市長はいわば先駆者であります。この伊香保温泉と合併する渋川市、そのお話しのことは、これは参考にはならないかもしれませ んけれども、心中を察していただいて、温泉街がさびることがないように行政としても配慮していかなくてはならない、そんなふうに思いますけれども市長いかがでしょうか。

◇市長(星野已喜雄君) この温泉街のことは、お隣の水上、あるいは猿ケ京、当然この伊香保、草津、安中の磯部、あるいは東毛の方の藪塚等々がありまして、私のつかんでいる、承知してい る範囲では草津が健闘、伊香保がまあまあ、あとは非常に厳しい状況が招来しているかなと、こういうふうに認識をしております。そういった中で今回、沼田市のエリアに老神温泉という温泉 が明確に位置づけられました。かつては、薗原ダムができる前はですね、河川づたいに露天風呂が非常に混在をしておりまして、皮膚病によく効く温泉ということで、そういう意味では湯治の 方々も来られた記憶をよく認識をしております。そういったことからいろいろ考えたときにですね、名前も少子高齢社会に向かって、老神という名前は非常に、少子高齢社会の時代の流れに合 う地域名でもあります。ですから何とかこれが再生のためにいろいろな角度から努力をしていくということは、これは行政に与えられた大きな政治課題だと、こういうふうに位置づけておりま すので、ご理解を賜りたいと思っております。

◇10番(布施辰二郎君) 私たちの街の温泉街のことも、再生のために取り組んでいただけるということでありますので、ぜひひとつお願いをしたいと思います。  次に、道路網の整備から、望郷ラインについて1点お聞きしたいのですけれども、この質問は直接市長にお聞きしてもいいかどうかなと躊躇したのですけれども、市長は、広域圏の長でもあ りますので聞いていただきたいと思います。利根沼田の望郷ライン、これはご存知だと思います。昨年の春だったと思いますけれども、月夜野町から沼田、白沢、利根町を経て昭和村まで、約4 4.4キロですか、総延長があるということですが、これは緑公団が農業用道路として建設したものであります。観光面でもこの道路は多いに利用価値はあると思います。特に沼田盆地を囲む 山々の中腹を、一部里にも下りますけれども、ぐるっとひと回りしておりますので、地元の人も勿論ですけれども、観光で来られる人達もすばらしい眺めが満喫できますので良かったなと思っ ております。私は、実は2回ほど、月夜野町から昭和村まで通ったことがあるのですけれども、月夜野町からこの望郷ラインの入口がわかりずらいというか、1回目は何回も人に聞いたりして、 入って苦労したのですが、17号線に接続しているとか、そうでもないですし、本当に中途半端な感じなのですけれども、まず、市長も通られたことがあるかどうか。その辺お聞きしますとと もに、せっかくのいい道路でありますので、一人でも多くの人達に知っていただきたいと思いますし、使用していただくためにも広域圏の長でもありますものですから、会議の時などにも検討 していただきたいと思いますけれどもいかがでしょうか。

◇市長(星野已喜雄君) この望郷ラインは当然私も何度か通っております。非常に雄大な道路でございまして、今後、これが活性化をすることが、とりもなおさず沼田のみならず、利根沼田 全体の活性化につながっていくというふうな認識では議員と同じでございます。月夜野のアクセスの問題につきましては、私はよく承知している立場にはございませんけれども、月夜野のいわ ゆる道路行政との調整等々がどうだったのかなということが結論から言うとあるのです。これは私どもも県会議員在任中に、現在の国道17号のちょうど月夜野のトラックターミナルがござい ますけれども、この辺のところにアクセスするような手立てというものをいろいろと私は私なりに地域のご助言等があって動いた経過がございますけれども、やはりこれについては町内のいろ いろなそういった行政のなせる技が今日を迎えているのかなというようなところだけを申し上げておきたいと思います。深いところは私どもではちょっと把握し得てないのですが、ただ、何と か月夜野トラックターミナルにアクセスすることがいいのではないかということで、いろいろとそういう発言は場面、場面でさせてもらっていた経過があることだけは申し上げておきたいと思 います。

◇10番(布施辰二郎君) 月夜野のトラックターミナル、あそこにも取り付けてもらえれば最高だなと思いますけれども、ぜひひとつ、まだこれから将来がございますので、そういうふうに なるように努力をお願いしたいと思います。 このことでもう1点お願いしたいのですけれども、この道路の延長線上、白沢町尾合から輪組輪久原線、これも既存の道路があるくらいでよくわかりませんでした。この線については、漏れ 聞くところによりますと、これから国が工事をするというようなことも聞いたことがありますけれども、詳しいことがわかりましたら教えていただきたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君) 実はここの輪組輪久原線の、今度は市道になりましたが、この道路も大変重要な道路でございまして、たまたまこれも県会議員在任中の平成13年の年でございまし たけれども、ちょうど10月にかつての旧の道路の橋が落ちてしまったのですね。それでこれを直すために私も骨を折らさせてもらいました。当時の輪組の区長さんだとかそういった方々が私 のところにまいりまして、現地朝6時頃から現地視察をいたしまして、そしてそれを対応してきた経過がございまして、その道路のいわゆる東側に大きな橋がございまして、その延長沿いのと ころに輪久原線が来るわけですね。県の代行事業で進めてきている経過がございます。大変予算が厳しいということがあるのでございますが、ここのところをやはり何とかクリアをしていかな いと非常に道路のロケーション上好ましいことではありません。ですから何とか、この輪組輪久原線の現在の代行事業でやっていることについては、まさにこれは政治的に動いて、実現のため に努力をしていかなければならない。そういう課題だという、そういう認識を持っています。

◇10番(布施辰二郎君) ありがとうございました。何とかこの緑公団が開けてくれた道路、開通したということで喜んだのですけれども、中身はまだまだ昭和村の方も、どこが出口だか、 入り口だか、既存の道路に出てしまってわからないようなところもありましたし、今の輪組輪久原線もそういうことであります。ぜひひとついい方向に今後も取り組んでいただきたいと思いま す。 道路の問題でもう1点お願いしたいと思いますけれども、過日、私は、白沢町から利根町の方へ出かけてまいりましてですね、ちょっと市長、思い出していただきたいのですが、老神温泉か ら旧沼田市の方へ向かって坂を上った所に信号があります。国道120号線と県道267号とに分かれる三叉路です。それを左に曲がって薗原湖の方向に約6キロメートル位でしょうか、南郷 の方向に帰ってまいったのですけれども、実はこの道路につきましては、前から思っていたことがあります。それは、約6キロメートルくらいの長さなのですけれども、幅が広い県道なのです けれども、なぜか中ほど200メートルくらいの道幅が非常に狭いことです。トンネルも2つあるうちの一つが小さいというか、非常に狭いのです。それでこの狭い道幅の200メートルくら いのところが広がれば、素晴らしい観光道路になると思うのですけれども、もし観光道路になって、大型バスがどんどん通れるようになれば利根町、それから片品方面に行った観光客も、バス も、そこを通って例えば沼田に用がある人は来てもらう。用のない人はそこを通って赤城の方へ行くとか、桐生から大間々の方に行くとか、そういうことも考えられると思うのですけれども、 その辺をひとつお願いをいたしたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君) 実はこれは沼田と白沢と利根が合併する際に、道路のアクセスの問題を研究していくと、結論から言うと国道120号のいわゆる総じて下を走っている東西の道路と 下側を走っている県道沼田大間々線の東西を走っている河岸側の道路がございます。この両方の道路のアクセスが、今おっしゃったように薗原という地区から南郷の西側に出てくる道路アクセ スが、前々からこれが弱いというふうに私は思っておりました。結局それはどういうことかと言うと、例えば具体的なことを言うと、老神、あるいは吹割の滝から南郷の曲屋に行こうとまず大 型バスで判断したとしますね。そうすると、結論から言うと、上之町の所まで来るか、あるいは国道120号の久屋原の玉屋さんの所まで戻るかしないと沼田大間々にアクセスできないという ふうな認識は前から持っていました。ですから、これも利根地方総合開発協会の陳情・請願の中で、いわゆる国道120号、つまり大原区域の四つ角から南郷西側の区域につながるこの道路の 関係のアクセスについては何とかすべきだということで、これはかねてからいろいろと動いてきた経過がございます。ただご案内のとおり非常に切り込んだ急傾斜と同時に、一方において深い、 堀のある湖になっておりますが、これらが非常に難産を極めているわけでありますが、いわゆる先ほど言うように、下段を通って桐生方面に行く道路、上段を通って日光の方に行く道路、その 関係がいわゆる当該沼田市範疇の中のいわゆる道路アクセスを進めていくとすれば、今おっしゃられた道路の問題は大きなこれも政治課題になると思って、いろいろな意味で前から動いてきて いる経過もございますので、これからも努力をしていかなければならないと思っております。 せっかくの機会ですからもう一つ申し上げたいと思いますけれども、老神に入る道路もやはり 大変現在狭隘でございます。ですからこれらのやはり将来は考えていく必要があるのではないかというような認識を持っております。当然、国道120号の椎坂トンネルの問題については、も はや何を言わんやでありまして、同一地域内のいわゆるトンネルでございますので、今までは沼田市、白沢村、利根村、片品村でもってこれが開通のために努力をしてきている経過があります が、同一敷地内でございますので、まさに本市に与えられた大きな行政課題であります。そんなことから、何とかこれが実現のために努力をしていかなくてはならないというふうに認識をして おります。

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