議会活動

平成16年12月議会一般質問の議事録全文

 

平成16年12月9日 (木曜日)

〔5番 布施辰二郎君登壇〕

◇5番(布施辰二郎君) 通告に従いまして、一般質問をいたします。

 今回、私の質問は、表題で、であります。項目では、地 籍調査についてと中越地震についてであります。

 はじめに、国土調査についてから伺います。

 実は、この国土調査の質問につきましては、去る13年の3月に同様の質問をした経過があり ます。我が国における、土地に関する記録の約半分は、明治時代の地租改正によって作られた地 図、公図を基にしたもので、土地の境界が不明確であったり、測量も不正確であったりするため、 土地の実態を正確に把握することができないということであります。限りある国土の有効活用、 保全のためには、土地の実態を正確に把握する地籍調査を実施する必要があります。地籍調査と は、一筆ごとの土地についてその所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地籍に関する測量 を行い、その結果を地図及び簿冊に作成することを言います。地籍調査により、作成された地籍 簿と地籍図は、その写しが登記所に送付され、登記所において地籍簿を基に土地登記簿が書き改 められ、地籍図が不動産登記法第17条の地図として備えつけられます。また、地籍調査の成果 は、個人の土地取引から公的機関による地域の整備まで、およそ土地に関するあらゆる行為のた めの基礎データとなるものであります。  以上のことなどから、私は本市にも、どうしても必要な事業であると思いまして、約4年前に なりますけれども一般質問をいたしました。しかし、いくら必要性を訴えても、着手するという 言葉は聞かれませんでした。本市では、市街地においては、土地区画整理事業が進行しているし、 農地については、土地改良事業等で現実的な国土調査は進んでおり、区画整理事業や土地改良事 業がそのまま19条の5項により地籍調査の結果として認定されることから、そちらに重点的に 職員を配置しているというような答弁だったのであります。

 しかしながら、県内11市を調査してみましても、沼田市のみが着手していない現状でありま す。また、国土調査法第19条第5項の国土調査の結果と同一の効果があるものとして指定する ことができるとは、土地改良事業、土地区画整理事業、その他、民間による宅地開発等、換地行 為の確定測量等が一定の基準以上の精度や正確さを有している場合が対象となり、認証されるも のであります。県内各市でも、このような事業と平行しながら着々と国土調査が進んでおります けれども、沼田市の状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。  さて私は、過去、土地の境界が不明確なために、地域の住民同士、あるいは官民などの境界ト ラブルなどの際、幾度となく相談相手にもなっておりますが、その都度に、本市が地籍調査に取 り組まないことを疑問に思っておりました。県内各市のように早くから着手していればトラブル などほとんどないのにと思いながら立会人なども務めたことがありました。地籍調査の成果は、 各種公共事業の計画、設計、用地買収、完成後の維持管理の各段階の円滑な実施に大いに寄与す ると思います。  例えば、街なかのように、土地区画整理事業を実施する場合、事前の調査や測量に多大な労力 を費やすことが多いと思いますが、地籍調査が行われていれば、土地所有の実態が明らかなため 換地も容易に進めることができます。また、道路を舗装する場合でも、官民の境界を容易に確認 でき、道路台帳も容易に作成することができます。地震、土砂崩れ、水害等の災害が起きてしま った場合でも、地籍調査が行われていれば個々の土地が地球上の座標値で表示されているため元 の位置を容易に確認することができ、復旧作業を円滑に進めることができます。また、正確な土 地の状況が登記簿に反映され、登記制度の信頼性が向上するとともに安心して土地取引ができる ため経済活動全体の円滑化、活性化につながります。この地籍調査が未実施の区域、地域におき ましては、固定資産税の課税が必ずしも実態を正確に反映しているとは言えない土地登記簿や公 図に基づいて行われている場合があります。地籍調査を実施すると、面積が正確に測量されるた め、課税の適正化に役立ちます。この他、まだまだこの地籍調査の良いところはたくさんあると 思いますが、市長は、この調査のメリットとデメリットについて、どのようなお考えなのか伺い ます。

 この国土調査事業の国の取り組み経過を調べてみますと、地籍調査は、昭和26年に国土調査 法が制定されて以来、調査初期には、実施主体である市町村などの要望を基礎にした任意方式で 実施されましたが、昭和32年に国土調査法の一部を改正して、特定計画を策定することにより、 事業を促進する特定計画方式に移行いたしました。しかし、事業の進捗は十分でなかったため、 昭和37年に国土調査促進特別措置法を公布、施行して、昭和38年より10カ年計画を定めて 調査を実施するようになり、現在では、第5次10カ年計画、これは平成12年から21年まで により実施されております。昭和26年に、国が国土調査法の法律を定めてから実に50年以上 経っております。また、群馬県内の状況では、すでに地籍調査が終了している市町村では、前橋、 安中、渋川の3市をはじめ、7町5村でありまして、全体の21.7%になります。また、継続 して実施している市町村では、高崎、太田、伊勢崎、桐生、富岡、館林、藤岡の7つの市と11 町12村で、これは全体の43.5%であります。終了したところと合わせますと、全体の 65.2%になります。  次に、地籍調査の未着手市町村ですが、市では、沼田市のみでありますし、ほかに15町8村 がまだ手つかずであります。これは全体の34.8%であります。このように、県内全域を見ま しても、一人沼田市だけが遅れていると思っておりますが、今後の本市の見通しについて伺いま す。

 次に、新潟県中越地震についてからですが、去る10月23日、午後5時56分頃、新潟県の 小千谷市、川口町、山古志村などを中心とした、いわゆる中越地方で震度7という極めて強い直 下型の地震が発生いたしました。これは1995年1月の阪神の大震災以降、初めての記録であ ります。地震が発生してから1カ月余り経過いたしましたが、まだまだ地域によっては避難勧告 が解除されていないところが残っていると、新聞やテレビなどで報じられています。今回の地震 で本当に怖いと思ったのは、本震から一週間経っても、二週間経っても、強い余震が続いたから であります。気象庁の発表では、マグニチュード5以上が実に25回もあったということです。 そのため被災地では、家には帰れず車中泊を余儀なくされている方も大勢いたということです。 そして、エコノミー症候群という、普段あまり聞き慣れない病気まで出てしまいました。

 さて、本市におきましては、昨年の8月に運動公園で、県と共催の大規模な防災訓練を実施い たしましたし、14年度と今年度では、沼小と南中の校庭で地域防災訓練を実施しております。 「災害は忘れた頃にやって来る」という諺がありますが、今回の中越地震を受けて、改めて防災 訓練が貴重であることを痛感いたしました。被災地の新潟県では、48の自治体で被害総額が3 兆円を超えたと報道されておりまして、その深刻な事態が伝わってまいりますが、本市での被害 状況について伺います。

 さて、多くの住宅被害のあった中越地震ですが、地震発生直後に被災地を調査した東京大学生 産技術研究所の目黒助教授は、「大きな地震の揺れの割に全半壊した住宅は少なかった。強い基 礎と太い柱、そして壁が大きいなど豪雪に耐え得る基礎だったからだ。地震に強い住宅造りの大 切さを痛感した。1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅は、全国の住宅の約7割に上が り、耐震補強は遅々として進んでいない」と言われております。本市にも、市役所をはじめ多く の公共施設があり、小、中、高の各学校などもあります。突然の災害発生時には、多くの公共施 設が避難場所として活用されるものと思われますが、これら公共施設の耐震対策についてどのよ うになっているのか伺います。

 次に、地震のあった中越地方ですが、豪雪地帯であることから冬を目前に、新潟県では13市 町村で約3,500戸の仮設住宅を建設中であり、全国から約142億円集まった義援金も、住 宅被害を受けた世帯に幅広く配分されるということであります。また、県外からは、多くのボラ ンティアが続々と集まり、平日で約400人、休日には1,000人を超える人達の支援があっ て、延べでは5万1,000人を超えていると言われております。このように、全国から様々な 形で支援の輪が広がっておりますが、最後に、本市としての現地支援についてお伺いをして、最 初の質問を終わります。よろしくお願いいたします。

◇議長(星野佐善太君) 市長。

〔市長 星野已喜雄君登壇〕

◇市長(星野已喜雄君) ただいまの布施議員のご質問にお答え申し上げます。

 まず、国土調査について 地籍調査について 沼田市の状況についてでありますが、第三次総 合計画の引き続いた課題として位置づけ、土地改良事業確定測量結果等を基に国土調査法第19 条第5項の認証を受けるなど、結果的に地籍調査を実施したものと同等の成果を得ており、現在 も実施中であります。

   次に、調査のメリットとデメリットについてでありますが、布施議員の平成13年3月の一般 質問においてご答弁申し上げましたとおりであり、地籍調査のメリットとしては、土地に関する あらゆる施策の基礎資料として広範囲に利用することができます。例として行政コストの削減、 行政財産の適正な管理、境界トラブルの解消、災害復旧への対応等が考えられます。また、デメ リットとしては、調査期間が長期にわたること、それに伴う市の財政負担も経常的になることや、 市民の境界紛争等の介入を余儀なくされること、また、多くの労力と時間を要するなどが考えら れます。

 次に、今後の見通しについてでありますが、事業期間が長期にわたりますが、調査方法の改善 も図られていることもありますので、今後は財政的な面等にも十二分に考慮しながら、適切な計 画を策定し、推進してまいりたいと考えております。

 次に、地震対策についてでございますが、まず、今回の地震により、犠牲となられました多く の皆様方の追悼と、被災に遭われました皆様方に、心からお見舞申し上げる次第であります。

 それでは、ただいまの布施議員のご質問にお答え申し上げます。  地震対策について、中越地震について、沼田市の被害状況についてでありますが、議員のご質 問の内容のとおり、10月23日午後5時56分頃、新潟県中越地方を震源地として震度6強を 記録した震災は、11月24日現在の資料によりますと、死者40人、負傷者2,869人、全 壊した家屋等2,572棟、避難をされている住民の方々は6,366人という未曾有の大被害 をもたらしました。

 現在、被災地におきましては、市民生活に直結しておりますライフラインの復旧、仮設住宅の 建設やその入所などが急ピッチで行われておりますが、これから、寒さや雪などさらに厳しい状 況が待ちかまえいることを考えますと、非常に胸が痛む思いであります。  さて、議員のご質問の本市におきます被害状況についてでありますが、住家一部損壊41棟、 非住家一部損壊4棟、ブロック塀損壊2ヵ所、田畑石垣の一部損壊3ヵ所、学校施設一部損壊6 校、公園施設一部損壊2ヵ所、落石1ヵ所、その他2ヵ所の被害報告がございました。

 なお、人的な被害がなかったことは不幸中の幸いであったと思っております。

 次に、公共施設の耐震対策についてでありますが、今回の大震災などの場合におきましては、 避難場所の確保及び安全性といったことが非常に大切であると再認識をいたしました。安全性に つきましては昭和53年の宮城県沖地震の教訓から昭和56年に建築基準法等の改正が行われ、 新耐震基準といったものが設けられ建物の安全基準が強化されております。また、阪神・淡路大 震災の後には建築物の耐震改修の促進のための措置を講ずることを目的とした「建築物の耐震改 修の促進に関する法律」が制定され、建築物の安全性の向上が図られております。  このような中で、本市の公共施設の建物は昭和56年以前に建てられたものが多数ございます が、今回の被害につきましては、一部被害が出たものの大事に至らず幸いなことであったと思っ ております。

 いずれにいたしましても、避難場所につきましては、安心・安全性といったことが最も大切で あると考えております。現在の避難場所は、小・中学校の屋内運動場がほとんどでありますが、 これらにつきましては、「沼田市地域防災計画」に沿って進めてまいりたいと考えておりまので ご理解をいただきたいと思っております。  次に、現地支援についてでありますが、今回の現地支援につきましては、新潟県、群馬県、栃 木県及び茨城県の各自治体で構成しております北関東・新潟地域連携軸推進協議会を通じて、構 成市である新潟県長岡市から支援要請がございましたので、本市といたしましては10月29日 に、支援要請のうちトイレットペーパーの物資と市民から寄せられた物資を支援してまいりまし た。更に、同市から平日の人的支援要請がございましたので、11月8日(月曜日)から12日 (金曜日)までの5日間、一班3名で2班編制を組み、計6名の職員を派遣し人的支援を行って まいりました。  以上申し上げまして、布施議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、学校における 耐震対策につきましては、教育長から答弁をいたさせますので、よろしくお願いいたします。

◇議長(星野佐善太君) 教育長。

〔教育長 角田利喜雄君登壇〕

◇教育長(角田利喜雄君) 

先ほどの布施議員のご質問にお答え申し上げます。  地震対策について、中越地震について、公共施設の耐震対策(学校を含む)についてお答え申 し上げます。10月23日の土曜日に起きました中越地震による学校施設への被害状況把握につ きましては、各小中学校長、幼稚園長に被害状況の調査を依頼し、翌日、日曜日の午前中には大 まかな状況把握ができ、県教委等への報告を行うとともに、月曜日からの児童生徒の登校に支障 が出ないよう配意を行ったところであります。

 本市におきましても、各小中学校の校舎は、学級定員の改正や、第二次ベビーブームにより児 童生徒が急増した昭和40年代、50年代に建築された建物が多く、これらは昭和56年に改正 された新耐震基準以前に建てられた建物でありましたが、幸いにも、倒壊や大破といったような 大きな被害はなく、天井パネル、蛍光灯の落下や窓ガラスのひび割れ等の小規模の被害がありま したので、これらの復旧措置を図ったところであります。

 今後における耐震対策といたしましては、昭和56年に改正された新耐震基準以前に建築され た校舎等の耐震診断などを実施するとともに、その結果に基づき計画的な対策を講じてまいりた いと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。  以上申し上げまして、布施議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。

◇5番(布施辰二郎君) 

ご答弁をいただきましたので、何点かについて再質問をいたします。  最初、国土調査についてからですが、平成3年に第三次総合計画が発行されております。これ は、12年度まででありますが、その中に計画的な土地利用の推進ということで、国土調査の実 施と明記されてありますし、第四次総合計画でも同じようなことが載っております。約4年前に なりますけれども、私の質問では、当時の執行者が、三次総の積み残しとして四次総でその実行 を図りたい。そういうふうにもおっしゃっているわけで、いま市長の答弁をお聞きしますと、み んな「絵に描いた餅」のようだなと、こう思っておりますけれども、古いことを現在の執行者に 問うのは、私としては申し訳ないような気もするのですけれども、県内11市のうちでも本市の みが着手していないわけです。ほかの市では、区画整理事業とかそういうのをやっているからそ れでいいのではないかというようなご答弁だったと思いますけれども、ほかの市でも、結局、土 地整理事業だとか、土地改良事業などを実施しながら地籍調査も平行して実行しているというこ と。私は非常にこれは遅れているというか、逡巡していると思っておりますけれども。その逡巡 していたことについてですね、市長はどのように考えておられるかまず伺います。

◇市長(星野已喜雄君)

 布施議員の再質問にお答えしたいと思います。  先ほどの答弁の中で、今後の見通しについて、調査方法の改善も図られていることもあります ので、今後は財政的な面等にも十分に考慮しながら適切な計画を策定し、推進をしてまいりたい と考えております。と答弁をしておりますので、これですべて言い尽くされていると理解をして おりますので、今後はですね、いわゆる関係状況をいろいろと判断をしながらですね、推進をし てまいりたい、このように思っております。ご理解を賜りたいと思います。

◇5番(布施辰二郎君) 

確かに推進をするということで、できればですね、着手するという言 葉があれば私もこれ願意は達したかなと思うのですけれども、推進をするとか、どうも検討する とか、研究するとかと言われると、またそのままでずっといってしまうのかなという気がしたも のですから、先ほど言わせていただきました。

 次に、市長はじめ関係皆様のお骨折りで、来年2月13日には、白沢村と利根村と合併いたし ます。この地籍調査を、白沢村が昭和63年から、利根村は平成8年から、地籍調査をこれ実施 しております。現在だから継続中でありますけれども、来年2月の13日からは沼田市になるわ けですから、その延長でやられてもいいでしょうし、単独でも手を挙げてすぐやりますというよ うな、手を挙げていただければいいと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

◇市長(星野已喜雄君)

前段、着手とか推進の違いみたいな、そういったことがございました が、着手となれば当然、予算措置のところまで入ってくると思います。ですから今日はご案内の とおり12月の議会でございます。そんなことから先々に確実な予算措置がなされれば、それは 当然、着手という言葉が使われてくると思っております。ですからその辺の時期を見計らった形 の中で推進という言葉を使っておりますが、で同時に、これが合併をした暁にはですね、編入合 併でございますから、沼田市に白沢村、利根村が入ることになりますので、すでに実施をしてい るという、そういう認識になるわけですね。ですから、必然的にもうそれは実施をしているとい うことに、沼田市そのものがなりますので、これは何を言わんやということになろうかと思って おります。ですから、慎重な発言を前段しておりますけれども、そういったことの流れがすでに 整えられているというようなことで私は認識をしております。

◇5番(布施辰二郎君) 

だいぶ少しは進んできたかなという感じが今しておりますけれども、 先ほども述べましたけれども、何年か前になりますが、私は民間同士の土地のトラブルに立ち会 ったときの話でございますが、隣同士なのに、「ここまでがうちの土地だ、ここまでがうちの土 地だ」と争っているところに呼ばれて出かけたことがありましたけれども、結局そういう場合に は、どっちの味方もできずにですね、そのまま帰った経過がございます。そして後日、その近く の家庭の人に聞いたり、お店の人に聞いたりいたしますと、あそこの場所は昔は荷車が通ってい た土地で、どっちの土地でもないよと、そんな話もお聞きいたしましてですね、結局は何が何だ かわからなくなって、役所にも伺ったことがあるのですが、結局、昔は赤線だったところなども、 もう隣同士で「俺んちのだ、俺んちのだ」と言っている。こういうトラブルは結構あるのですけ れども、「正確にわかりたければ日本橋から測ってこい」などというような話もこれ出ておりま して、そんなことができるわけないのですけれども、結局、うやむやになってしまった経過が2 回もあります。で過去も、今も、そういうことはあると思うのですけれども、実際はどうなので しょうか。それから、このような場合はどのような解決をされているのでしょうか。私は解決は できなかったのですけれども。その辺わかったら教えていただきたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君)

 細部にわたりますので経済部長の方から答弁をいたさせます。

◇議長(星野佐善太君) 経済部長。

◇経済部長(武井善太郎君)

 命によりお答え申し上げます。  いま議員さんがおっしゃられた境界が確定しなかった場合、どういう方法をとるのかというこ とでございますが、一つ重大なことがございますのでご確認をいただきたいのですけれども、こ の地籍調査を行ったからといって必ずしも地籍境界が確定するとは限りません。地籍調査を実施 する場合には、概ね1、2回境界確認の立ち会いはしますけれども、民民の境界が確定しない場 合には、それを長い期間かけて行政が介入して、お宅の境界とお宅の境界はこうですよというこ とはしません。合意に達しなければどんどん次に進んでしまいます。ですけれども、統計的には 調査完了という率になってしまいます。ですから、議員さんおっしゃるように100%完了した からと言って、必ずしもAさんなり、Bさんの境界が確定をしたり、Aさん、Bさんの地籍が確定したりということにはならないということでございますので、それはご理解いただきたいと思 います。個人、個人の境界に、一般的にはそうですけれども、行政が介入して、お宅とお宅の境 はここですということは、民民の境については行政は介入していません。ですから、議員さん質 問でおっしゃったような、すべてがうまくいった場合にはいろいろなメリットが出たようなこと がありますけれども、100%調査をしたからと言って、隣同士の紛糾している境界までが確定 したことにならないということでございますので、それについてはどういう方法があるかという ことでございますけれども、これは方法がございません。あくまでAさん、Bさんが納得して、 ここが境界だとなった場合に初めて確定するということでございますので、それ以外の方法につ いては行政が介入することはございません。  以上です。

◇5番(布施辰二郎君) 

そうですか。私は、地籍調査が済めばそういうことのトラブルはなく なるだろうと。そういうような県の、国で発行しているこういったものを読んでも「ほとんどな くなります」というようなことが書いてありますから、地籍調査が済めば、例えば同じ民民の、 Aさん、Bさんの話でも、昔、第三者から聞けば、ここは赤線だったというような話しを聞くわ けですね。するとその民民で、俺のうちはここまで、ここまでと言うと、その赤線部分は全然無 視されてしまっているわけで、そういうときにもちゃんと地籍調査が済んでいればそういうこと はないのだろうと自分では思っていたものですから、それでお聞きしたのですけれども、やはり そういうことはわからない。かといってその民民同士がここまでと、民民同士で話しをつけても、 これもおかしな話しで、赤線があったわけですからね。だからその辺は私も調べてみますけれど も。そうですか、結局、地籍調査が終わっても100%解決するのではないのだということをま ず一つ教えていただきましてありがとうございました。

 それでは次にいきますけれども、明治、大正、昭和とこの沼田市も発展してきたわけですけれ ども、平成の現在においてもですね、登記所に備えつけられている地図の約半分、明治時代の地 租改正によって作られた地図、いわゆる公図のわけですけれども、地租改正とは、各個人の田畑、 山林など、土地の価格を基に税率を決めた租税のことであります。現在では、固定資産税に吸収 されていると思いますけれども、この租税とは、国、または地方自治体がその経費に当てるため に一般国民から、これは強制的に徴収する金銭、お金のことであります。これには、国税と地方 税がありますけれども、土地の境界が不明確であったり、測量が不正確であったりするこの13 0年以上も前の、明治の時代にできた公図や土地登記簿に基づいて固定資産税の課税が行われて いる場合があると思うのです。地籍調査を実施すれば面積が正確に測量されるために、先の話し とも絡んできますけれども、課税の適正化に本当にこれは役立つと思うのですけれども、その辺 は市長いかがでしょうか。

◇経済部長(武井善太郎君) 

議員ご指摘のとおり、この地籍調査がすべて完了されれば、いま 議員ご指摘のように適切な地籍が確定しますから、適正な課税等もされるということは、これは もうおっしゃるとおりでございます。ですけれども、先ほど申し上げましたように、個人、個人 の境については、お互いが納得していただいて、これでいいよとお互いが納得すればそれに基づ いて境界が確定して、正しい自分の地籍が確定するわけですから、それによって課税されるとい う、住民個々の方のメリットも生じてくるということで、先ほど市長が、メリット、デメリット があるかということでは、申し上げたとおりでございます。ですから、この地籍調査の目的とい うのは、そういうデメリットもあるけれども、メリットも大きいのだということを関係者にもご 理解をいただいて進めることがいいことではないかというふうに私は理解しております。適正な 自分の所有の権利に基づいてすべて対応するというのが、これは課税以外に関しても、すべて自 分の土地を売買する場合においても適切な土地の面積がはっきりしますから、それは適切である と思いますので、関係する方々、もし調査をする場合には、前段で説明会等を開きながらやって いきますので、そこで関係する方の100%の合意がいただけるような手順で進めていきますけ れども、どうしても個人の財産に関するものですから、こちらで、お宅はこうだ、お宅はこうだ ということができないというジレンマがあることもぜひご理解いただければなと考えております。  以上です。

◇5番(布施辰二郎君) 

わかりました。この地籍調査は、先ほども述べましたけれども、国土 調査促進特別措置法に基づく国土調査事業10カ年計画によって主として市町村が事業を実施す るということになっております。現在、国ではですね、第5次国土調査事業10カ年計画のもと に、土地の有効利用の促進という、土地政策の観点から緊急性の高い地域について地籍の明確を 図ることにして調査に取り組んでいるわけであります。地籍調査のうち、一筆地調査については、 市町村の職員が自ら実施することが原則となっているということであります。また、平成12年 度から外注型地籍調査事業が創設されて、地籍調査の促進を図るために専門技術者を活用して調 査を実施することが可能となったということです。そして平成15年度には、新規、新たな規則 で拡充地域や中山間地域、過疎地域、振興山村地域、豪雪地域、火山地域、浸水想定地域、地震 地域を対象として一筆地調査に専門技術者を活用し、地籍調査の促進を図るということになって おります。また、新規着手市町村には、14年度からアドバイザーも派遣するということです。 私が前回、質問したときよりも、年々規則が緩和されてきて、直営でもいいし、外注でもできる し、難しいところは専門技術者を活用してできるということで、着手が本当に容易になったと思 いますけれども、その辺は市長はどのようにお考えでしょうか。 ◇市長(星野已喜雄君) 議員おっしゃられるとおりそういった時代の流れは私どもも承知をし ております。ですから、先々におきましてはですね、そういった時代背景をしっかり踏まえて、 そして本市として遺憾なきよう対応を図る中で本事業をとらまえていきたいと、こんなふうに考 えております。

◇5番(布施辰二郎君) 

だいぶしつこくお伺いしまして、この項目はこれで最後にしたいと思 いますが、この最後にですね、地籍調査の経費について。市長答弁では経費もかかるし、時間も かかるし、確かに調べてみますと10年も20年もかかっているところもあります。この地籍調 査を市町村が主体となって行う場合ですね、国とか県から負担金が支出されて、市町村の負担は 事業費の4分の1となると。国の資料にはそうに載っております。またこの他、都道府県及び市 町村の負担分については、一定の割合で特別交付税が交付されるため、実際の負担はさらに小さ いものになると。このようになっておりますが、4分の1というとこれは25%ですから、ずい ぶん大きな金額になってしまいます。この場合ですね、特別交付税が交付されるということです が、おおよそこれは事業費の何パーセントくらいが交付されるのか。わかったら教えていただき たい。  それからもう一つですね、これは直接の住民負担はなかったと思いましたけれども、その辺も 教えていただきたいと思います。

◇市長(星野已喜雄君) 

大変含蓄の鋭い質問をされまして敬意を表したいと思いますが、国費 が10分の5ですね、県費が10分の2.5、それから市町村負担が10分の2.5で、この 2.5のうちの80パーセントが特別交付税でもって措置を受けられると、こういうことでござ います。なお、諸々の数値形成についてはですね、経済部長から補足説明をいたさせます。

◇経済部長(武井善太郎君) 

命によりお答え申し上げます。  どのくらいの経費がかかるのかということでございますが、現在、試算しているところで申し ますと、市の総面積が約136平方キロメートルございます。その中から、調査不要の国有林、 または土地改良実施済みの区域等を除きますと、約79平方キロメートルほどがこの地籍調査の 対象の面積になってまいります。それで、県内の他市の状況等を見ますと、1年度で調査できる 最大限の可能な面積は4キロ四方くらいができるだろうということで、最大限ですね、その実情 によって違いますけれども。そうするとそれを割返してみますと約20年この地籍調査は必要に なってくるということになります。それで20年かかる費用で、県内の、平成15年度の1キロ 四方あたりどのくらい調査費がかかっているかと申しますと、県内平均で約3,000万かかり ます。これは外注です。3,000万かかるということでございます。その他、この調査費の 3,000万について、20年間分が国、県の補助対象になるということでございまして、その 他に県内平均大体3.2人くらいの専任の職員がおりますので、そういう人件費とか、各年度の 需用費等々を含めますと、おおよそ27億程度20年間でかかる試算としてなっております。そ の27億のうち人件費等と調査費で見ますと、先ほど市長申し上げましたように、調査費だけで いきますと23億7,000万くらいですけれども、これの10分の5が国、10分の2.5が 県から来るということ。それから市負担の10分の2.5の80パーセントが特別交付税対象に なるということですから、直接の調査費、委託する調査費だけでいけば市の負担はそのうちの5 パーセント程度になる予定です。ただその他に、先ほど申し上げました人件費とか、毎年の需用 費等その調査するための準備の費用については、国、県の補助の対象になりませんから、そうい うものを差し引いていきますと約4億6,000万程度が20年間で必要になると。すると実質 約17パーセント程度が沼田市の、市の実質の負担になってくるということになります。これは 現在の沼田市が国土調査を進めるとしてという数字でございまして、利根村、白沢も進んでおり ますから、当然、新沼田市とすれば、これ以上の費用がかかってくるということになります。  以上でございます。

◇5番(布施辰二郎君) 

細かく、丁寧にありがとうございました。調査する面積が79平方キ ロあって、1平方キロ調査が3,000万くらいかかる。20年かかって27億、ずいぶん膨大 なことだなと思いますけれども、それでもやはり他の市町村はそういうことを全部クリアしてや っているわけですし、沼田市だけがかかるからこうだ、時間もかかる、あれもかかるからできな いという理由にはならないと思いますので、ぜひひとつ早急にこれは取り組んでいただきたいと 思います。

◇経済部長(武井善太郎君) 

答弁漏れがあり申し訳ございません。  住民負担はあるのかということでございますけれども、これについては、境界立会いに出てい ただく労力は負担していただきますけれども、金銭的な負担はございません。  以上でございます。

◇5番(布施辰二郎君) 

ありがとうございました。  次に、地震対策についてからですが、中越地震では、対策本部の発表といたしまして先ほども 市長にお聞きいたしましたけれども、亡くなった方が40人、負傷者が約3,000人、住宅の 被害が全壊や半壊、一部損壊まで含めると6万5,000戸という大規模な災害でありました。 たまたま地震が起きたときには私は家におりまして、グラグラと揺れがきた瞬間、ビックリして 外に逃げようと思って玄関まで出て様子を見ておりましたら、少し揺れがおさまってきましたの で、また部屋に入ったのですが、揺れが来てから3分くらいだったと思いますけれども、もうテ レビで中越地震が起きたことを報道しておりました。実は私は、新潟県の十日町市から15キロ くらい離れた長野県寄りのところの出身でございまして、直観的に「あっ、震源地はふるさとの 方だな」とわかったのですけれども、それからは時々テレビに釘付けになっておりました。地震 は天災でありますので、いつ急激な地殻変動が起きるのか。今日のように科学が進んでもまった くわからない状態であります。昔から怖い物の順に、地震、雷、火事、親父というような言葉も ありますが、私は過去、何回も災害や地震にも遭遇しておりますが、今回の中越地震ほど身近で 怖い余震も続きましたし、怖い思いをしたことはありませんでした。実はその日は、夜遅くまで 自動車に乗ってですけれども、市内を何回も巡回しておりまして、幸い本市の被害は小さいな、 そんなふうに感じましたけれども、仮に震源地が沼田近辺だったらと思うと本当にゾッとします けれども、この地震が起きたときの対応などはどのようにされたのか。詳しくお願いをしたいと 思います。

◇市長(星野已喜雄君)

 ご案内のとおり、こういった一朝有事にはそれぞれマニュアルができ ておりまして、私は実はこのときには出張で沼田市を離れておりました。ですので私の方は、当 然、市の方に直接連絡するなりして、一朝有事の対応をするようにという指示をさせていただき ました。当日はですね、特に総務部長が中心となって、その辺の対応についていたしました。と いうのは、助役もご案内のとおり前橋市に住んでおりまして、いうならば高速道路はストップし たりというようなこともあって、総務部長を中心に展開をいたしました。ですので、その辺のこ とについては総務部長がよく承知しておりますので、総務部長の方から説明をいたさせます。

◇総務部長(村山博明君) 

命によりお答えを申し上げたいと思います。  ただいま市長がご答弁申し上げましたとおり、市長、公務出張中でありましたので、市長の指 示を受けながら当日の対応をしてまいりました。まず、地震と同時に防災計画に基づきまして、 職員の自主登庁というふうなことで、職員64名が即時こちらの方に集結をしたというふうなこ とでございます。そして、それらの状況を踏まえて、18時10分に災害警戒本部を設置いたし まして、その中で防災計画に基づきましてそれぞれ指示を行い、あるいは情報の収集を行って対 応してきたということでございます。  以上でございます。

◇5番(布施辰二郎君) 

その当時のこと、部長さんからよくお聞きをいたしました。64名も 職員がすぐに集まってもらって、災害警戒本部を作って対応された。沼田市はたいしたことはな い。それはもう回ってみてわかったのですけれども、本当にそういうことに遭った場合の訓練で はないですけれども、本当に大事なことだと思っております。これはよく、そのように市長が留 守なのにやっていただいたと思います。  実は、自然災害の惨状にふれて、ボランティアに携わる人は結構多いと思いますけれども、先 の阪神・淡路大震災では、若者を中心に約150万人が支援に駆けつけてボランティアをして、 ボランティア元年を迎えたと、そんなような報道もありました。中越地震の被災地でも、全国か ら専門技術を持つ人や学生など多くの人が汗を流していてボランティア活動が日常化しつつある とも言われております。私は新潟県出身でありますので、何かボランティアに行ってみようと思 いまして、市内のボランティア団体に所属している友達に相談をしてみました。ところがその友 達が、自分の食糧や宿泊先、移動手段は全部自分で確保しろ、被災地への物資提供は現地のニー ズに合わせろ、軍手、雨具など必要な物はすべて自分で用意して、被災者の心情に最大限配慮し て、危険な地域での活動になることも覚悟しろとかですね、とにかく衣食住などは全部自前で賄 うようにして行けと。現場では、自己責任、自己完結が原則などと非常に厳しいことを言われま したので実現しなかったのですけれども、地震直後ですね、何か役に立ちたい。あるいは何かで きることはないだろうかと。そう思っておりましたけれども、形にするのはなかなか難しいもの だなと私は感じました。本市でも、職員の派遣、あるいは物資の支援などあったということです けれども、やはり被災された人の心情になるということが大切だと思うのですけれども、市長、 どのような思いでこの被災地支援に取り組まれたのかお伺いいたします。

◇市長(星野已喜雄君)

 まず中越地震、ご案内のとおり群馬県の最北端の中核都市であります から、新潟といちばん隣接しているところでありますから、当然そちらに思いをいたさなければ なりません。しかし私どもの方にもご案内のとおり大きな地震があったということで、当然、市 民の安否をいち早く考えなければならないという立場にあろうかと思っております。そういった 流れから、市民の安否がしっかりと確認でき、それが安全が担保されるということの認識のもと に、当然、隣接の関係について何らかの形で手を打たなければいけないというような思いにから れることは当然だと思います。また、そういったことからいろいろと先ほど答弁させていただい たとおりですね、いち早くトイレットペーパーの供給であるとか、それと同時に職員のいわゆる 派遣等もさせていただきました。私は今回、いろいろと自らの分析によるとですね、阪神・淡路 大震災の後、当時、県会議員のときに神戸を視察に行ったことがございます。結局、地域防災体 制がかなりその反省の上に立って確立をされているという経過もございまして、やはり本市にお きましても、地域防災体制の関係について、もう少し地域の人が、地域をしっかり守っていくと いうようなことについてのシステム化というか、そういったことをもう少し深く考えていく必要 があるのではないかというふうに思っておりまして、先刻関係部課に指示もさせていただきまし た。同時に自分自身も、先般、現地に視察に行ってまいりまして、長岡の大手高校に、特に山古 志村の方々が496人ほどおられるようでございましたけれども、サブ体育館と本体育館の方で 寝泊まりをし、サブ体育館の方で救援物資等の振り分けがされていたようでございます。トイレ も、あるいは体育館の後ろの地震の影響を受けたところだとか、そういうのも見てまいりました けれども、現実の生活をお伺いすると、そこから学校に行ったりしていると聞きまして、非常に 思いを、大手高校にいる方々にいたしました。同時に、大手高校では、自衛隊の方々が、朝に夜 にグラウンドに待機いたしまして、そこでいろいろと食糧の関係であるとか、そういうようなこ との対応に励んでいるところもまた見てまいりました。  また、もう一方におきましては、ご案内のとおり仮設住宅の関係、これが長岡の中央地区の操 車場の北の方の千歳という所の地域でございますけれども、現行199戸に11月の24日に入 っているのでしょうか。11月の28日に33戸が入居されていますでしょうか。そういったこ との中で、やはり方々がどこかに住まなければならないことに対しての仮設住居、光熱水費は有 料のようでございますけれども、もちろん住まいのところについては無料というようなことでご ざいます。これらについてもですね、当然、新潟県なり、あるいはまた長岡市が中心となってそ れらの対応をされていると思います。私どもも原理、原則は、やはり地域は地域で守るというよ うなことの基に、当然、県等のご指導もいただいて、現在の防災計画を生かしながら、現実の対 応としての、例えば地域の関係についてもう少し手を打っていく必要があるのではないか。こん なふうに実は感じ取っております。

◇5番(布施辰二郎君)

 確かに市長がおっしゃるとおり、地域は地域で守る、これが本当に原 則だと思います。この被災地では、いまもお話しがございましたけれども、電気や水道などのラ イフラインがまだ完全ではなくてですね、多くの人達が避難所生活を余儀なくされているわけで あります。道路も各地で発生した土砂崩れや亀裂など、これは1,200ヵ所もあるということ ですけれども、通行もままならずに通常の生活に戻るまでにはまだ相当の時間がかかる。そうい うふうに思います。  実は過日、同僚議員と終日、被災地に視察に行ってまいりました。六日町から十日町に入って、 それから川口町、小千谷市と見て来ましたけれども、家の倒壊や半壊した現場を見ますと気の毒 で、他人事と言っては失礼なのですけれども、正直言えば他人事なのですけれども、呆然として 言葉も出ないような有様でした。小千谷市では、街なかの住宅1軒ごとに赤や黄色、緑のA4く らいの紙が貼られておりまして、赤は危険と大きな字で書いてあって、黄色は注意、それで緑は、 調査済みとか、調査中とか、そういうふうにずっと小千谷市役所の近くの住宅地には紙が貼られ ておりました。今では通常、普通になったのですけれども、この地震発生時には、電話や携帯電 話は一切使えなかったのですけれども、混乱した状態となったこの川口町ではですね、庁舎内の 宿直室に非常時にも通じる災害電話が設置されていたにも係わらず、いざというときにはそのこ とに気付いた職員は一人もいなかったということです。それで、いちばん先に県庁に連絡しなけ ればと思ったのだそうですが、有線放送も携帯も通じないのでただ焦っていたところへ、暫く時 間が経ったら「災害電話があるではないか」と県の方から指摘をされ、連絡が来て、ようやくそ の存在を思い出したと、そういうことですけれども。パニックになるとこのようなことが本当に 起きるのです。  本市におきましては、訓練なども毎年のように行っておりますし、そのようなことはないと思 いますけれども、やはり対岸の火事とは思えませんし、防災には、用意周到であり過ぎるという ことはないと思いますので、今後の教訓としなければならないと思いますけれども、その辺、市 長いかがでしょうか。

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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。 午前11時05分休憩

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午前11時14分再開 ◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────────────────────

◇市長(星野已喜雄君) 

再質問にお答えをしたいと思います。  ただいまの一朝有事のときの連絡網等の問題についてでございますが、特に電話の関係につい てのご質問だったと思いますけれども、これらにつきましては、総務部長の方から説明をいたさ せますのでお聞き取りをいただきたいと思います。  なお、公衆電話は通じたというような実態にあるようでございます。参考までに。  それともう一つは、これはもう非常にこういったときの基本に帰るということが大事なのかな と思いまするときにですね、農業関係筋のいわゆる土砂崩れとかそういったことについては、携 帯電話がそういった状態のようであったもので、一端組織的に現場に行って見回って来て、また 役所に戻って報告をして、また出て行くという、極めて有機的なやり取り、つまり人頼みをしな いで現実に車を使って現場に行って、現場での確認をして報告をするという、これは手間がかか るようですけれども、一朝有事のときに当てにするものが途絶えたときには、やはり原理原則と してそういった元々の大事なことだなということを感じさせていただいたということを関係部課 から報告をいただいております。

◇総務部長(村山博明君) 

命によりお答えを申し上げたいと存じます。  緊急時の災害優先電話の関係につきましてでありますが、これにつきましては、沼田市にあっ ては5回線を所有してございます。まず、その内容でありますけれども、3回線につきましては、 交換機を経由してその対応を図ることとなっておりますし、単独では、消防防災係に1回線入っ てございます。これにつきましては、今回の被災地等の連絡等につきましては、この回線を用い まして現地との状況を話し合ったというふうな経過がございます。もう1回線でありますが、こ れにつきましてはファックス回線でありまして、ファックスにつきましても1回線持っていると いうふうなことで、災害が起きた場合の優先電話として現在これらを周知し、これを利用するこ とで確認をしているところであります。

◇5番(布施辰二郎君) 

優先で5回線もある。だいぶ、少し安心をいたしましたけれども、こ の地震の中心地だった川口町にはですね、地震対応のマニュアルはなかったのだそうです。風水 害や大雪のときの被害マニュアルが中心で、地震対策はなかった。そういうことです。国は、9 5年の阪神大震災の直後ですね、直下型地震に対する備えを充実させるようにということで、各 自治体に通知を出していたということですけれども、地震の空白地帯と言われていた新潟県内で は、川口町を含む22の市町村で、地域防災計画を見直すことなく事実上放置していて混乱に拍 車をかけたと、こういうふうに言われておりますが、本市ではもちろんそんなことはないと思い ますけれどもどうでしょうか。  それから、地震対策対応のマニュアルはあるということですので、これはいいと思いますけれ ども、国や県の指導は、そういう災害時にはどうなっているのでしょうか。  それからもう一つ、よく防災無線の話を聞くことがありますが、放送ですね。震源地の川口町 でも防災無線装置があって、詳しく被害状況が町民には伝えられるように放送でなっているのだ そうですけれども、それはその装置が庁舎の3階にあるということで、相次ぐ余震のためにその 中に入れなかったということで、それもやはりせっかくいい装置があっても、それは各地区には 良いスピーカーがあったりするのですけれども、情報は町民には行き渡らなかったということで すが、たまたま川口町の防災無線は今回は100パーセント活用できなかったわけですけれども、 これを教訓として本市でも地震や災害対策の一環として各地域を結ぶ防災無線、そういったもの、 放送ですね、そういうものが必要だと思いますけれども、その辺は市長いかがでしょうか。

◇市長(星野已喜雄君) 

まず、地震対策の関係について、新潟の方では22市町村がそういっ たマニュアルを持っていなかったということのようでございますが、本市といたしましては、こ れらにつきましては、先般の阪神・淡路大震災以降、遺憾なきよう対応してきた経過があるとい うことでございます。  また、国や県の指導については、ご承知のとおり昨年も群馬県の防災訓練を行う。これらにつ いては本市が主管になっていろいろと行ってきた経過もございまするし、そういったことで常に 連携をしているということでございます。  なお、本市が、これはやはり他に誇れると言ってよろしいかどうかわかりませんけれども、平 成14年、それから今年と、沼田小学校ですか、今年は沼田南中学校で防災訓練を行いましたけ れども、そういった日々の地道な活動が大事なのではないかと。こんなふうにいま肝に銘じてい るところでございます。  先ほどの情報の伝達の方式でございますけれども、いろいろな意味でそれぞれの場所、場所、 あるいはまた時間、時間、状況に応じて一長一短がございますので、今後そういった形を含めた 中でどういったことが適切なのか、内部で検討をし、そして情報の伝達方式についてこれから考 えていきたい。このように考えておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。

◇5番(布施辰二郎君) 

ありがとうございました。日本のようにですね、災害列島と言っても いいと思いますけれども、だれが、いつ、どこで被災するかまったくわからない状態であります。 まさに明日は我が身という状態でありますけれども、先月の、11月29日にも北海道東部で震 度5強という強い地震がありました。地震災害はいつでも突然起こりますけれども、「備えあれ ば憂いなし」でありまして、万が一の時、被災者の衣食住などの備えについてどのように考えて おられるか。最後にお伺いいたしまして、私の一般質問終わります。ありがとうございました。

◇市長(星野已喜雄君) 

被災者、万が一の衣食住の問題でございますが、これらについてはで すね、当然、市の責任において対応していかなくてはならないと思いますし、また、県の方にお きましても、いわゆる保健、それから利根実業で対応できる手立てがあります。本市としても冒 頭説明したとおり、これから徐々にそういったことの整備を進めていきたい。こういうふうに思 っておりますのでご理解を賜りたいと思います。

以上です。


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